研修会の反省

120220fwmeet.jpg

 12月20日、塩尻市にある長野県林業総合センターで、23年度に
行われたフォレストリーダーとフォレストワーカー研修の反省会が
ありました。
 
 主催の長野県林業労働財団の皆さん、道具や研修地の手配などで
お世話になった林業総合センターの皆さん、そして県の担当部署と
私たち現場実習の講師をやらせてもらった林業士(私は林業士では
ありませんが、林業技能作業士でそれに準じています)が集まり、
みっちり4時間。反省と、新年度へ向けての課題を話し合いました。
 
 一番問題だと感じたのは、どの研修も期間が長いため、職場の
現場に工程的に負担をかけながら受講する皆さんにとって、それでも
魅力的で意義のある研修にするには、どうすれば良いかという点です。
この点は、まだまだ講師の側に勉強する時間が必要だと思います。
 
 そしてこの1年、研修場所の確保ということも大きな問題でした。
伐木の研修では、センターの敷地をかなり利用させてもらいましたが、
ここでは様々な研究が行われているため、そのことへの影響が大きく、
大人数で研修に入ると、貴重なデータを採っている林内の環境が、
たちまち変わってしまうのです。
 また、下草刈や枝打ちの実習では、実習地を用意することさえ
できなかったため、新年度はそうした場所の確保に、県をあげて
力を入れてもらうことになりました。
 
 新年度は受講生が少なくなるので、遠隔地から通う私に声が
かかるかどうかはわかりませんが、いずれにしても、自分にとって
技術を人に伝える「伝え方」の勉強が足りないことがわかる経験
だったので、これを活かして、いろいろと研究してみたいと思って
います。

恵みの雨

120215kawahake.jpg

 先週降った強い雨は、久しぶりの寒い冬に打ちひしがれていた
ところに、最高のプレゼントとなって、現場の雪をすべて融かして
くれました。ところが、うきうきしていたのもつかの間、今朝はまた、
ご覧のような景色に逆戻りです。
 
 でももう、寒さはピークを脱したようです。林の中からはキツツキたちの
コロコロ~ という求愛の音が聞こえてきます。
 
 これが聞こえ始めると、だいぶ気分は楽になってきます。あと少しの
辛抱で、最高の季節がやってきます。

白い朝

 これまでも何度かお知らせしましたが、今朝の千曲川には
これまでに見たことがないほどの蒸気霧が沸き立っていました。
この霧が、本物の霧のように地上まで這っているところは、
はじめて目にしました。 

120203kawagiri.jpg

 朝、屋外の気温を見ると氷点下18度。温度計を設置して以来、
最低を記録しました。川沿いの舗装路を歩くと、舗装の下が凍上
しているらしく、まるで板の上を歩いているような音がします。
 自称「川上で一番暖かい場所」でさえ、この冷え込みですから、
もう少し上流側は、さぞかし凄かったことでしょう。

今年の冬山訓練

 話題が前後しますが、先週末、八ヶ岳南端の編笠岳直下の青年小屋
一泊で、南佐久地区山岳遭難防止対策協会の冬山救助訓練がありました。
 
 今年は、山梨県山岳遭難防止対策協議会北杜支部と合同での開催です。
と言うのも、この山域は山梨と長野の県境にまたがっていて、両県の
救助隊が出動するケースも想定されるため、日頃から親交を深めておく
必要があるからです。
 
120122gongen1.jpg 
 今回、思い切ってアイゼンを新調しました。最新のものは、使い心地が
最高です。
 
120122gongen2.jpg 
 訓練二日目、青年小屋から権現岳手前の「のろし場」までラッセルで
登ります。
 
120122gongen3.jpg 
 標高2500mの訓練ポイントに到着。早速支点をとって、降下準備を
します。画面左奥のピークは阿弥陀岳(2805m)。この日は終日空気が
安定していて、白馬、穂高、御岳、北岳、富士がきれいに見えていました。
 
120122gongen4.jpg 
 まずは要救助者役が、20mほど下り、救助を待ちます。遠く雲の彼方に
見えているのは、霧が峰方面。
 
120122gongen5.jpg 
 要救助者役に続いて、救助者も降下し、いよいよ二人の引き上げが
始まるところです。県警救助隊の指導を受けながら、慎重に用具を確認
します。
 画面のいちばん奥にいるのが県警の隊員。プロはやっぱりかっこいい
ですね。
 
120122gongen6.jpg 
 「引けー! 引けー!」の合図に合わせて、壁面を救助者と要救助者が
上がってきます。
 
120122gongen7.jpg 
 引き上げ訓練が終わり、小屋への帰り道。みなさんお疲れ様でした。
 でもまだ気を抜くことはできません。ヤッケの下には、いつ雪崩に巻き
込まれても発見してもらえるよう、救助用のビーコンをセットしています。
 
 こうした訓練は、繰り返し行うことが肝心です。でも、いちばん良いのは、
出動の機会が無いこと。
 どうかこの冬、日本中の山が安全で平和でありますように。

お疲れ様でした

 これまでにも何回か紹介した、山仕事に就いている人たちの
ための講座「フォレストワーカー研修」が、無事にすべて完了
しました。

120123fw2-2a.jpg
  
 画像は本日のベストショット! 事業体や作業条件が変われば、
草刈り機の仕様もいろいろ異なる、ということを、タイプの異なる
機械を並べることで語りたかったのですが、もっと存在感のある
人が参加してくれました。
120123fw2-2b.jpg 
 この雪の季節に、草刈り機? ということで、同じく保育を
テーマとした「ぶり縄」による木登りを、講師の川島さんに
お願いしました。
 この画像で上っている受講生は、このあと果敢に攻めて、
最初の枝まで到達しました。
 
 無事に終わって良かった。受講生の皆さん、山仕事を楽しんで
くださいね。

研修修了

120112fw2.jpg

 これまで何回か紹介させていただいた、山仕事に就いた人たちの
ための研修が、あと一日で修了します。
 とにかく今年度は研修が多かった。数えてみると
 
 フォレストワーカー1年目 7日間
 フォレストワーカー2年目 5日間
 フォレストワーカー3年目 1日間
  
 合計13日間で、それぞれに2グループあるので、なんと26日間も
このお手伝いに通ったことになります。
 
 最終日前の昨日は、GPS測量がテーマでした。市販のハンディGPSを
使って、研修地に設定した範囲を歩き、その面積を表示させるという
プログラムです。コンパス測量ほどの精度は得られませんが、仕事を
しているところのだいたいの面積ならば、これで十分実用になります。
下の画面の、上から三列目の数字がその面積です。
120119gps.jpg 
 まだあまり現場で使っている人はいないようなので、ここで覚えた
ことを、ぜひとも現場の作業性アップに応用してもらいたいものです。  

高性能林業機械

 高性能林業機械、略して高林機(こうりんき)。なんだかすごいタイトルですが、
こういうものが日本の山では流行っています。私としては、早く自分の
代わりに二本足で歩き回ってくれるものができないかなぁと夢見て
いるのですが、今のところ建設用機械に少し手を加えた程度のものが
主流です。
 昨年7月にも少し述べましたが、ハーベスターという、立っている木を
つかみ、切り倒し、アッという間にチャンチャンと細切れにしてしまう機械も
そのひとつです。
 
 
 村にある先輩事業体が、高齢化も進んでいるということで、いよいよ
この機械の導入にふみきりました。とは言っても、新車で一台千七百
万円もしますので、簡単にはいきません。
 現在国が行っている、このような効率化のための補助金を利用して、
少しでも負担少なく導入しようということで、正月はずっとそのための
書類作りを行っていました。
 
 
 一番手間を取ったのは、これまでの実績の集計です。つまり、
この事業体が、過去にどれだけの量の材木を山から運び出したか。
これを2年前に遡り、取引先との伝票からコツコツとエクセルへ打込み
集計しました。そして、コツコツやった甲斐があって、H22年時点で
2000立方メートルを越す丸太を出荷していたことがわかりました。
。。。それってどのくらいの量?と言われてしまいますね。
 

 漠然とではありますが、通年メンバーが4人のグループとしては、
けっこう頑張っている量だなと思います。しかも、高性能とは定義
されませんが、もう一台購入するための書類も作っているところです。
 

 と言うことで、まだしばらくはこの手伝いと、フォレストワーカーという
山で働く人たちの研修の手伝いが続きそうです。
 良いブログが見つかるまで、もう少し、画像のないページにお付き合い
ください。

新しい年

 あけましておめでとうございます。
 本年も、そまびとたちの奮闘記をよろしくお願いいたします。

 
 今年のお正月は、久しぶりに実家のある茨城県で迎えました。
2日午後に、高速バスに乗り川上村に戻りました。家人によれば、
こちらも穏やかだったようです。
 

 実は、要林産としてお知らせしなければいけないのに、ずっと
延び延びにしていたことがあります。
 昨年10月24日をもちまして、要林産は株式会社となりました。
かなり遅いご挨拶となったことをお詫びするとともに、これまで
以上のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
 

 もうひとつお知らせがあります。
 驚くべきことに、このブログの画像の容量が、もういっぱいになって
しまったようなのです。拡張できないこともないのですが、昨年3月
からでいっぱいになってしまうようでは、今後経済的にも問題が
出そうなので、近々、お金のかからないどこかへ引っ越すかもしれません。
 その際には、またアナウンスさせていただきます。

ローラー破損

111214segyou.jpg

 今働いている現場です。画像でわかるとおり、日のあたるところ
は融け、日陰は冷蔵庫。
 天然性広葉樹林で、大雑把に言うと訪れる人たちが安全に、
かつ森のおもしろさを感じることを目的に施業しています。
(ピンポイントでは、かつてあったワラビが、またたくさん生えて
欲しいという要望と、ミヤマクワガタを増やしたい、という要望が
あります)

111215segyou1.jpg 

 久しぶりに仲間がいっしょだったので、先週、自分の姿を写して
もらいましたが。。。 改めてみると、すごい配色ですね。
 作業中に目立つことは大事ではあるのですが、あまりにも
意匠面を無視しています。

 などと、余計なことをあれこれ考えながら木を伐っていたら、
「カタン」と軽~い衝撃。直後にチェーンソーから変な音がし始め
ました。
 分解して調べてみると、おやおや、ガイドバー先端のローラー
(スプロケットギアと言ったりローラーと言ったりするようです)が
真っ二つに割れてしまいました。チェーンソーの刃は、高速で
この上を走る構造になっています。寿命でしょうか。
 仕方なく、バックアップの機械に持ち替えて、作業続行です。
何とか年内には完了させたい現場です。
 雪よ、降ってくれるなよ~

月ときつね

 毎朝6時の犬の散歩が日課です。この季節、まだ暗いうち
から出かけますが、先日、満月に照らされた雪の畑をスーッと
何かが横切りました。
 瞬間的に、「トビ(=鳥)は暗いうちから飛び始めるんだ」と
感心するくらい、滑らかに直線的に移動しましたが、、、
 なんとキツネ! しかも直後にもう一頭が、前者とはまったく
反対方向に走り抜けました。
 月明かりが蒼かったことも印象的でしたが、キツネたちと
ともに暮らしていること。これが妙に嬉しかったです。
 いえいえ特別なことではありません。都市部でも、外来種
ではない連中が普通に生活しています。
 タヌキやイタチは、出会う機会が少ないだけで、けっこう
ヒトくさいところでも元気にやっています。
 まだ彼らと出会えるうちに、この日常の大切さを知ってもらう
にはどうすれば良いんだろう。
 しばし原点を見つめる時間をもらったできごとでした。

そおしゃる・ねっとわあく・さーびす

 フェイスブックに参加登録しました。早速、友達リクエストなるものを
連発しましたが、リクエストが届いていない方はよろしくお願いいたします。

 アカウントが知らぬ間に覚えのない人に紹介されてしまうのでは?
また、映画「ソーシャルネットワーク」の内容もあまりに衝撃的だった
ため、二の足を踏んでいたのですが、旅先で同行した人が、このブログ
にも時々コメントをしてくれる方のドイツからのレポートを、リアルタイムで
携帯電話でチェックしているのを見て、即登録しました。

 でもまだスマホを持っていません。ですから、本格的な運用まではまだ
時間がかかりそうです。

広島県へ

111203yoshiwa1.jpg

 広島駅から自動車で約1時間の、吉和というところへ
行ってきました。目的は安田林業さんの取材です。

 そりゃあ取材の対象になるくらいですから、皆さんに
広く知っていただかなければいけないことがたくさん
あったのですが、核心部分は本ができあがったときの
楽しみということで、少しだけ紹介します。

111203yoshiwa2.jpg

 こちらは毎週末に行われるミーティング風景です。
毎回、誰かがテーマを決めて発表をします。それに続いて
作業予定の打ち合わせや、現場で直面した危険の反省を
各人が記録し、社長にも確認や反省点の再確認をして
もらいます。その記録は事務所のホワイトボードに掲示し、
全員が情報を共有します。

 安田林業さんでは、「山仕事はかくあるべき」という形が
すっきりと実践されていました。
 日本の地域がこのような事業体で満たされるとき、きっと
この国は新しい生き方のようなものを見つけるのでは
ないでしょうか。できることなら、その様子を見届けてみたい。
率直な感想です。

 忙しい中対応してくださった安田林業の皆様、どうも
ありがとうございます。

木を売るということ

 農業をやっている仲間から相談の電話。「今、畑の横のカラマツを
倒しているんだけど、この木は売れるかな?」

111201tamagiri1.jpg

 情報が少なすぎて即答できないので、仕方なく現場へ…。
 そして結局、いろいろな事情から、私がすべて造材をすることになり
ました。

111201tamagiri2.jpg

 この”事情”がポイントだと感じます。手短に言ってしまえば林業の
煩雑さということになるでしょうか。木を倒すのは良いけれど、そこからの
手間が大変なのです。そしてこの手間が、大きく分けてふたつある
ことに改めて気付き、かつ、ふたつ目に述べるものの方が、問題として
桁違いに根深いな、と感じた次第です。

 以下、主に同業者向けです。長くなります…。
 木が身近にならない理由ともクロスオーバーしているのかもしれません。

 ひとつは、物理的な手間。
 倒した木の枝をはらい、引っ張り出し、曲がり方に応じて規格の
寸法に裁断し、トラックに積み込んで売り先へ搬入するという、
危険や重労働が常につきまとう手間です。
 ところが依頼主の友人は、この手間については実にあっさりと
納得しており、問題視しませんでした。

 
 分析してみると、彼にとって、木を倒し現金に換えることが、畑の
貸主に貢献するというミッションをもったものである以上、外国人実習生が
居るうちは、「かかる物理労働をすることなど、農業の延長でしかない」と
いうことのようです。
 ところがです。もうひとつの手間 -それはソフト的な手間とでも呼べる
のではないでしょうか- に直面したとたん、彼の反応が激変しました。
 木の曲がりに応じた採寸のバリエーションを説明しはじめたとたん、
「材木って、そんなに面倒くさいものなんですか。とてもついて行けない。
金は出しますからやってください」という話になったのです。

 
 さらにソフト面での衝撃は続きます。納品先として、同じ村にある
製材所の存在を、村で生まれ育った彼に私は説明しなければならな
かったのです!!
 このことは、村の多くが人工林で占められている村で、すでに
カラマツ林が何の存在でもなくなっている現実を、改めて強く感じさせて
くれました。
 長くなるので、今夜はこのへんでやめておきます。 

ダブルクロッチ

 立て続けの投稿ですが、久しぶりに仲間のいる作業で、
仕事中の画を撮ってもらったので掲載します。
 現場は、地元川上村の別荘地です。道沿いの支障木伐採に
合わせて、別荘オーナーさんからいただいた、枝処理の作業です。

111126takatoya.jpg

 画像をクリックすると、ロープが2方向から降りてきている
のが確認できるかと思います。ダブルクロッチと呼ばれる設定に
したので、バランス感覚の悪い私でも、安定した作業ができました。

茨城県の里地にて

 長い間更新を怠ってしまいました。お知らせしなければならない
ことが多すぎて、飽和状態です。仕方ないので最新の話題から。。。

 
 長野県に移住する前に暮らしていた茨城県の取手市で、クリを
倒してきました。

111125toride.jpg
 取手在住当時からずっとお世話になっている、自然愛好の人たちが、
一念発起して分科会をつくり、UR都市機構が整備を進めている取手
ゆめみ野の緑地
で活躍しています。

 いずれは木を倒す作業も発生するかもしれないということで、昨日は
その練習をお手伝いしました。
 自然環境保全を目的とした林業(人によっては、それを「林業では
ない」と言いますが、それを説明するハードルは高くない…、と言う
よりも存在しないと思います)には、今後多くの主体が関わることに
なることと思います。実にやりがいのある仕事でした。