神社の木

村にある神社の氏子さんたちから、神殿の方に傾いているので伐ってもらいたい木があるという相談を受け、友引の今日、作業を行ってきました。
 朝、氏子の皆さんが集合して作業の安全を祈願し、私から簡単に作業予定を説明したあと、幹周りが2m70cmあるモミの伐倒作業を行いました。

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木登り上手の仲間が応援に駆けつけました。人間がどこに居るのかわかりますか?

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 この画像の木までは順調に作業が進んだのですが、事件が起こったのはその次の木です。かなり高い位置に支点をとり、レンタルしたブルドーザーのウィンチで引き倒そうとしたところ、ワイヤーがブチッ!木はいきなり神殿の方にグラリッ!口から心臓が飛び出しそうになりました。

 幸いなことにツルが効いていて木は倒れず、応援に来ていた仲間二人の活躍と、先日紹介した1.6t引きのチルホールの緊急出動、そして村の金物屋さんで緊急調達したワイヤーも活躍し、作業は夜7時過ぎに無事に終了したのでした。

 こんなドジな要林産にも地域の皆さんは暖かかったです。日が暮れると農作業用の投光器を境内に置いて、何も言わずに(ここがいちばん身にしみました)見守ってくれました。きこりになって、今日ほど印象深い一日はありませんでした。感謝。

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“神社の木”への コメント ( 6 )

  1. いまいさんの コメント

    お疲れ様でした。無事で良かったですね。ブログを読んでいてドキドキしてしまいました。自分も先日、蔓絡みのアカマツ伐倒で失敗してしまいました。ツルを多めに残してチルで引き倒す予定でしたが、蔓が切りきれていなかったのと枝のツッパリが予想以上で、チルで引けば引くほどツルはブチブチ切れて行き、樹は90度横方向へ、あえなくフェンスを潰してしまいました。後で思えば控え索を取っておけば良かったのにと後の祭りでした。支障木系は慎重な作業で2重3重の安全策を講じるべきと思い知らされました。

  2. somakudoさんの コメント

    リアルに想像できますね。
    本当に無事でよかった。
    私の部落の神社も数十年昔に
    支障木を伐ったそうですが、
    見事に神殿をつぶしたそうです。
    経験による慣れほど恐いものもなく、
    これこそ保険をどれだけかけておいても
    安心できませんね。
    ところで賠償保険には入ってますか?

  3. かなめさんの コメント

     今井さんのコメント、支障木系は慎重な作業で2重3重の安全策を講じるべき。
     そしてsomakudoさんの、経験による慣れほど恐いものはない。
     13年やっていて、そのことをようやく理解できた自分が恥ずかしくてなりません。傾いた木にハシゴをかけ、死にもの狂いで控えをとっている姿は、思い出すだけでゾッとします。
     たとえチルホールや滑車の制限荷重がわかっていても、扱う木の大きさを見極める力や、肝心のチェンソーによる伐木技術が疎かでは、商売人として失格だなと、心の中が涙でいっぱいになりました。

  4. 木曾仙人さんの コメント

    かなめ様、ご無沙汰しておりましてまた、お邪魔いたします。

     本当に無事で良かったですよねえ!
    きっとかなめ様の普段の行ないを山の神様が見ていてくれたのでしょう。
     状況はよくわかりませんが、写真をみさせていただいた限りでは受口の後に追い口を打ったのでは??
     失礼ですが追いヅルはきちんと作りましたか?

     木曾地方ではこれだけの大径木を伐る場合はを行います。大径木は大きければ大きいほど、高ければ高いほど挙動は不安定となりどちらへ倒れるかベテランの山師でもわかりません。
     昔は、ヨキ伐りでしたから独特の伐採方法である三つ緒伐り(三つ紐伐りともいう)で大径木を伐っていました。
     そう、木曾の上松は赤沢美林で伊勢神宮に献上するヒノキを伐採する方法です。この方法は三方向から伐り口を入れていって狙った方向に伐倒する技術です。
     この三つ緒伐りをチェーンソー伐採に応用したのが”追いヅル伐り”といわれています。
     通常の伐採方法のツルは一直線状に残りますがこの場合は三点支持で残ります。この三点支持の大小で方向付け、倒木スピードをコントロールします。方法は、追い口を打つ際に受口と平行に突き伐りで入れて貫通させます。ついでその口より受け口側の芯伐りを行なうと三つ緒が完成します。
     方向、木の動きを見ながら三つ緒の大小を調整します。(経験と熟練が必要)最後に追いヅルを放すと木は狙った方向に静かに倒れます。
     反対に倒れてきた場合には追いヅルが支えとなって急には倒れません。やはり最初は曳索と控え索は不可欠でしょう。
     また、倒す方向がどこにもない場合は”伐り落し”といって上から2mくらいに伐って降ろす方法もあります。
     いずれも山中の影響のない場所で練習しておくと良いでしょう。

     安全は必要不可欠なものです。それを守るのは個々の技術と日ごろの鍛錬と思われます。
     小生も日々、仕事の合間を見ては練習しています。
     古老が教えてくれる限り少しでも習得しようとがんばっております。

     山の神様に感謝しながら!!

  5. 木曾仙人さんの コメント

    かなめ様、すみません。
    前回の投稿で下記の箇所【】内が抜け落ちてしまいました。よろしくお願いします

    木曾地方ではこれだけの大径木を伐る場合は【追いヅル伐り】を行います。大径木は

  6. かなめさんの コメント

     木曾仙人様 お久しぶりです。

     貴重なコメントをいただき、ありがとうございます。推察のとおり、今回追いヅルは活用しませんでした。ブルのウィンチの力と、十分に高い位置の支点という過信があったのですね。そして何よりも、自分の能力の無さに気づいていなかった。

     正直なところ、一番上の画像の木のことで頭がいっぱいで、この現場に入る1週間ぐらい前から、気持ちが高ぶったままでした。ところが、その木がすんなりと倒れてくれたことで、おごりが出たのです。

     木曾仙人さんのおっしゃるとおり、今回も山の神は警告をしてくれたのです。そして象徴的なことに、台付けが切れたあと、慌てて飛び込んだ地元の金物屋さんの店主は、実は神主さんでもあります。神殿をつぶしかけている状況を説明し、ワイヤーを買い求めて神社に飛んで帰ろうとする私に、神主さんは一言だけ「ケガしないようにやってください」と言ってくれました。

     技術的に未熟だったことや、自分の適性のことを、神仏の話題に置き換える気持ちはありません。ただ、それらの不足を補ってくれた力がたくさんあって、そのことへの感謝で今も胸がいっぱいなのです。そして、今回いただいたコメントも、そいういう力のひとつとして、しっかりと己のものにしてゆきたいと思います。

     せっかくなので、今回ブッちぎれた台付け索と、その後の作業でとった安全策を、新しいページにアップします。

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