映画”こつなぎ”

映画“こつなぎ 山を巡る百年物語”を、松本まで観に行ってきました。発端は、よくコメントして下さるつうくんさんが、あるサイトに入会についてと、この映画の存在を紹介したこと。そしてそれを読んだアカホリさんが、動員をかけて一泊二日の「こつなぎを観て語る会」に発展したのでした。

 久しぶりに会った皆さんとの語らいの印象が強く、映画の印象は正直なところ色あせてしまったのですが、それでもわざわざ一日かけて観る価値はありました。
 上映前の製作者挨拶で「時代は変わり、人々の暮らしは変わっても、現代には現代の入会があるのではないか。そんな思いでこの映画を観てください」と語った監督の言葉があったので、助けになったのですが、それがなかったら農民と国家(司法)との闘争のドキュメンタリーとして観てしまったかもしれない、そんな描き方がされていました。

 明治の地租改正により、東北の山村こつなぎの入会地にも所有権者が設定され、やがてそれが売却されたことから、新たな地主と村人とのあいだに問題が起こります。いちばん不幸なのは、100町歩は従来どおり入会地として利用しても良いという地主との調停に賛成する人々と、反対する人々とに、村が二分されてしまったこと。このことで、闘争は地主反対派と地主の間だけでなく、賛成派と反対派という局面を生み出してしまいます。でも、確執があっても村人たちは必要に応じて協力し、破滅的な関係の崩壊には至らなかったという点が、ひとつ印象に残りました。

 そして一番胸を打ったのは、長年の訴訟でついに入会権を獲得できなかった村人が、「農民が入会地を失うのは死に等しい。人間を生かすも殺すも自然次第なんだ」という意味のことを語ったところでした。
 明治が訪れるまでの数百年、あるいはもしかすると数千年を入会地からの恵みで食ってきた人々。それが失われる社会の到来とはいったい何なんでしょうか。
 このドキュメンタリーの中で、地主にとって、山は投機の対象でしかなかったと感じます。虚業が幅を利かせる時代に笑われてしまうかもしれませんが、多くの人に観てもらいたい映画です。

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“映画”こつなぎ””への コメント ( 2 )

  1. つうくんさんの コメント

    かなめさん
    ありがとうございました。
    久しぶりにいろいろお話ができてとても有意義でした。
    集まっていただいた方々にいろいろ刺激を受け、またモチベーション高く林業をしていきたいと思いました。
    林業という枠にとらわれることなく、林業が山村で果たす役割を今後も考えていいきたいと思います。
    これからもよろしくお願いします。
    また個人的に別途ブログにアップします。

  2. かなめさんの コメント

    つうくんさん
     こちらこそ、楽しい、そして刺激的な二日間をありがとうございます。
     話題になった「霞ヶ関でむしろ旗」ですが、いったい何を訴えましょうかね。アピール力はあるだろうけれど、考えてみると、対行政よりも対国民の発信の方が求められているように思います。そんな論議も含めて、どこかで一度仲間を集めて一つの活動を創りあげたいですね。
     つうくんさんの持論、林業はただ”林業”なのではなく、その山村で果たす役割をトータルで捉えなければならないという点。まったくおっしゃるとおりです。地域人として多忙な毎日をおくるつうくんさんに刺激されつつ、私も常にその視点を忘れずに働きたいと思います。

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