信州型ペレットストーブ

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先日「冬は終わってしまった」と言いましたが、そこはそれ信州のこと、まだまだ朝晩は火の恋しい日々が続いています。そして山村起業で暖房の話となると、やはりペレットストーブをはずすことはできません(その理由はコメントの最後に…)。

参考にならないかもしれませんが、現時点での私のペレットストーブのイメージは、灯油や薪とケンカするのではなく、ペレットならではの居場所を開拓してゆくというものです。持続可能な資源を燃料とし、炎の暖かさを保ちながら、燃料の運びやすさは薪には真似のできないストーブ。燃料の加工や、炎を保つため、燃料供給に電気を必要とはしますが(ぜんまい式もあります)、燃やしているのが木である、という点はその弱点を補って余りあると考えます。言いかえれば「木を燃やすことの価値」がこのストーブの最大の強みです。

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撤退

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田舎では、住民ひとりひとりが様々な役割を分担して暮らしています。結論から言うと「あなたの職業は?」と問われた際に「私の職業は地域住民です」というのが適切なほどに、皆が多くの役を担っており、その傾向は村が小さくなるにしたがってより強くなるようでもあります。

 後述する事情で、なかなかそのような地域貢献の機会の少ない私ですが、昨日、地域ボランティアのひとつ遭対協(長野県山岳遭難防止対策協議会)の雪上救助技術研修会に参加しました。3日間の訓練ですが、残念ながら私は胃の調子が悪化して、やむなく途中で撤退してしまいました。

 訓練は、雪崩遭難者捜索の心得やビーコンの正しい使い方。山スキーのシールについてと実地訓練。雪山遭難全般に関する座学などで、実際に見て聞いてやってみなければわからないことばかりの、充実した内容でしたから、がんばって全日程に参加したかったのですが、雪山の高いところで自分が救助を要請することにでもなったら洒落にならないので、やむなく帰ってきた次第です。
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どばッ!

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土場と書いて「どば」と読みます。建設業や林業に縁のない人には「どば」といってもイメージしてもらえないかもしれませんが(「どば」とタイプして変換しても出てきません)、大量の材料や機械を保管したり、大きな現場で、製品や材料を加工する野外の作業場のことを、全体的にこのように呼んでいます。

 林業事業体では林業用機械やトラックを置いておくための土場も必要ですが、山から材木を出すようになると、材木を保管したり、その中から必要な太さのものをより分けたりする作業のためにも、平らな広い場所が必要になります。

 この土場がないために、そまびとクラブでは現場ごとに切り出した材木を置いておき、必要な寸面の材も、そこに積んである材木の山(これを「はいづみ」と呼んでいます)から選び出すという方法で対応していました。
 あちこちの山に選び残した材や、出荷待ちの材が置いたままの状態が続き、悩みの種だったのですが、設立4年目にしてようやく事務所から車で5分ほどの山の中に、約700坪の用地を借りることができました。

 ビジネスの世界では「在庫は極力持たない」ということが鉄則です。木も、山に立っている状態で「どこそこにどれだけあって、すぐに届けられます」という形が理想なのでしょうが、不ぞろいのものを選択することなく収穫するという方法をとっている以上、どうしてもある程度の在庫を持たざるを得ません。この土場は、そまびとが推し進めようとしている地域材の利用促進に、必ず役立ててみせます。

冬の終わり

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映画 The day after tomorrowは、決して誇張された表現ではないのかな、と標高1100mに暮らす者として強く感じています。

 内陸に位置し、標高が高いという特性を併せ持ったこの村は、厳冬期になると最低気温が氷点下20度を下回る日も珍しくなく、いつもなら都市部で暮らすのとは比べ物にならないほど春が待ち遠しいのですが、今年は寂しさを感じるほどに、冬があっけなく終わろうとしています。

 そうした冬の終わりを告げるもののひとつは、千曲川での釣解禁です。2月16日朝、犬の散歩に出てみると河川敷に何台もの他県ナンバーの車。そして川の中に立つたくさんの釣り人たち。「とうとう今年は、あの春を夢見る感覚なしにこの時期を迎えてしまったのだな」と橋の上でつぶやきました。
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林業技能作業士(グリーンマイスター)認定書授与式

そまびと専従メンバーの今井が68日間に及ぶ研修を終え、昨日めでたく長野県林業技能作業士となりました。認定書の授与式は長野県林業士認定式といっしょに塩尻にある林業総合センターで行われ、今年は林業士、グリーンマイスターそれぞれ9名が林業の担い手や地域の林業振興のリーダーとしての一歩を歩み始めました。

 おかげさまで、そまびとクラブはこれで4名の専従職員全員が林業士か林業技能作業士の認定書を手にすることができました。設立5年目の、忘れがたいできごとです。
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ジグザグ滑車を用いたハイリード方式集材の研修会

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 私たちが活動している東信地域は、もともと緩やかな傾斜の場所が多く、山から材木を出す業者はたいてい車両系集材と呼ばれる、トラクターなどで山に入り、直接材木を引き出してくる方法で生産を行っていますが、今回、そうしたトラクターなどが入ることのできない場所から、材木を運び出す方法の研修を、県が主催しました。

 午前中は、「急傾斜地に対応した信州型搬出法」と、そうした搬出方法に合わせて行われる「列条間伐」という間伐方法についての講義があり、午後は、地元の森林組合が実際に行っている信州型搬出法の現場で、作業の様子や架線の設置状況を見学させてもらいました。

 「日本の山は、育てる時期から伐って使う時期にシフトしつつある。だから今は育てていれば良いだけの林業から、林業本来の出して使うことに頭を切り替えなければいけない」というある参加者の言葉が印象に残っています。

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列条間伐とセットで行われている、ハイリード方式の搬出風景。真ん中の黄色い機械が、タワーヤーダと言う林業用の機械(高性能林業機械と呼ばれているものの一種)です。一千万円以上する高価な機械ですが、県が推奨する「認定事業体」としての条件を整えれば、そまびとクラブでも比較的安価に借りることができるようになります。

置賜森づくりフォーラム(2月10日)

山形県の置賜郡飯豊町(おきたまぐん いいでまち)で開催されたフォーラムに招かれ、「信州そまびとの森づくり」と題した講演をさせてもらいました。経験未熟な身で講演などとはおこがましいのですが、これも勉強の機会ということで、せっせと資料をまとめ、約1時間の発表を行いました。

 飯豊は炭生産が盛んな地域で、フォーラムに合わせて「炭品評会」も行われ、その品評会に続いて約100人の林業関係者や所有者、森林ボランティアの皆さんを対象にお話をさせてもらいました。午後からは、「森づくり部会」と「森を楽しむ部会」のふたつに分かれてのワークショップが行われ、プロ、アマ双方から活発な意見が出されていました。

 山形県では来年度から森林環境税が導入されるそうで、5億4,400万円(県民一人あたり千円)のお金が新たに森林整備のために用意されます。フォーラムが開催された山形県の置賜支庁管内だけで、11の森林ボランティアが活動をしており、事業者が行う山の手入れに加えて、こうした市民グループの活動にも、この税金が活かされる予定だそうです。
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寒さに耐え忍ぶかたち

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また新しい現場(間伐)に踏み込みました。
 総面積が20haと手ごわいので、今日はとにかくGPS片手に作戦を考えに行きました。

 そのことについてはいずれ報告しますが、標高1600mあたりのところを歩いていて、石楠花(シャクナゲ)の群落に出会い、感動したので書いておきます。

 石楠花はご覧のように葉をしおれさせるようにして、厳寒の山を常緑のまま耐え忍びます。うしろに見える緑は、アセビの群落で、こちらも同じように葉をしおれさせていました。
 当然ですが、植物たちは歩くことができません。その代わり、季節の移り変わりに合わせて、体を変化させて生きているわけですが、この葉のまるまり具合を見ていたら、過酷な環境下で、人類などよりも遥か昔から様々な戦略で生き残ってきた植物たちが妙にいとおしく思えてきました。

 作業がはじまれば、木々の何割かは倒され、そして春を心待ちにしている石楠花たちの何パーセントかも、下敷きになる運命です。「そんなことをいちいち考えていては仕事にはならない」のですが…。やはり自分には向かない仕事だなとつくづく思ってみたりします。

広葉樹の板

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昨年11月の愉快な山仕事講座同窓会のときに製材したホオノキとトチが、だいぶ乾きました。

素人の製材ゆえ、ほとんど割れが入ってしまいましたが、さて、何を作りましょうかね…。あれこれと考えているときが一番楽しみです。

架線集材

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フォーリングブロックという方式でカラマツを山から集めているところです。オペレータは私

 木が(昔ほど)高く売れないということで、私たちの地域では、人工林の木を育てるために間伐を行っても、伐った木はそのまま林の中に放置することが多く(これを切り捨て間伐と言ったり、切り置き間伐と呼びます)、木がもっと大きく育って、それなりの値打ちが出るようになったら、山から出して売りましょうという作戦をとっています。

 そうは言っても、戦後の拡大造林期に植えられた木は、昔ならばすべて伐って売っていた大きさに育っているので、なるべくなら引き出して使いたい(このように間伐の時に山から出てくる材木を間伐材と呼びます)。長野県でもそうした間伐材をどんどん使おうじゃないか、ということで、いろいろなところでカラマツの間伐材が使われています。

 画像の現場は、日頃お世話になっている地元佐久市大沢財産区の山。ご覧のように、高く伸びているカラマツの下に、ヒノキが植えられています。ここのカラマツを間伐して引き出して売るために、架線集材という作業を行っています。

 NPOを運営している人たちは、よく活動の目的をミッションと呼んでいます。そして、そまびとクラブのミッションの最初に謳われているのが

 林業の当事者として、木材自給率を高めることの重要性を広く人々に知らしめ。

なので、とにかく自分たちも木を伐るだけでなく、出して売る当事者になることが設立後の最初の目標でした。そのためには機械を揃えなければなりませんが、はじめから高い林業機械を買うことはできません。そこで、手持ちの機械でできる方法として、今回はこのようなやり方を選びました。

 林業の世界では、材木を収穫することを素材生産と呼んでいます。細々とではありますが、素材生産業者として産声をあげたそまびとクラブの、昨年度の生産量は96.6立方m。今年度は12月末現在で、約71立方mです。ちなみに業界の人に言ったら、笑われちゃうような数字です。

お道具紹介…通勤車両の巻

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町を歩いているとき、いろいろな職人さんが使うバンが止まっていると、つい中を覘いてしまう…。
そういう人は、仕事師病にかかっているのかもしれません。

 そまびとクラブ随一の働き者、マツダボンゴ4wdを紹介します。
 今回の画像は、横浜出張で満載の状態です。この車には後部座席用のヒーターが無いので、長距離移動の時に後ろに座る人たちがとても寒い思いをします。かと言って、ガンガン暖めると、今度は前の人が暑くて座っていられなくなる。上の写真に写っているグレーのダクトは、そんな悩みを解消するためのものです。前の座席用の吹き出し口にフタをしてあるので、前と後が丁度良い暖かさに保たれました。これで、日本一周だって大丈夫です。

 真ん中に見える木のフタは、悪路走行中にポケットの中の書類や小物が飛び出すのを防止します。もちろん自家製材の板ですよ。すべて、当法人理事長苦心の作! メンバーの健康と安全を思いやる気持ちに感謝です。

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後部座席から後方を見る。荷台の棚にチェンソーが5台見えます。

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棚の下はこんな状態。今回は旅の荷物に隠されて、山仕事の道具たちが見えません。

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ルーフキャリアには、山林用ハシゴ2本と、草刈機2台が載ってます。