どば!part2

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2月18日にお伝えした土場に、看板とロープの柵を設置しました。今後あちこちの山土場に分散している材木をここに集積することになります。

看板は、昨年の環境フェアに出展した際、飛び入り参加してくださった地元のチェンソーアーティストが、その場で作ってくれたものです(材料はもちろんカラマツ)。今後は私たちの素性がわかるものや、営業キャッチなども書き込んだ表札代わりの看板も設置し、簡易製材で小屋を建てて、林内作業車の保管庫にする計画です。

新年度の臼田高校自然塾

公私共に予定がつまってしまい、書き込みがおろそかになってしまいました。その間には、実現したら大仕事になりそうな事業の種まきも含まれていたのですが、その報告はもう少し形が見えてからにします。

 1月15日の書き込みで紹介した、県立臼田高校環境緑地科主催の臼高自然塾が、新年度も開催されることになり、昨日はその打合せが行われました。今回そまびとがお手伝いするのは、以下の2回分です。

6月16日 佐久市臼田コスモホール周辺
「身近なところでバードウォッチング」

7月28日 臼田高校樹木見本園
「木の図鑑を作ろう」

 今までお世話になっていた、そまびとクラブのボランティアスタッフKさんに代わり、専従スタッフの今井と麻生が今回から講師として加わることになりました。小中学生が参加しやすい講座を目指しますが、広く一般の方も募集しますので、佐久市近辺の方はぜひご参加ください。募集が始まり次第、信州そまびとクラブのホームページでお知らせします。

 時代に逆行して、農林関係の学校への進学希望者が減っていると聞いています。生命に直結する産業を志す若者が増えるような働きかけを考えなければなりません。打合せでは、自然塾の他に、生徒対象の講座や単発行事への支援についても話し合われました。新年度は、これまで以上にお手伝いすることが多くなりそうです。

行きつけの店

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行きつけの店と言っても、赤提灯ではありません。そまびとが日頃からお世話になっている林業機械の専門店、佐久にある山口商会さんのことです。

 現場作業が続くと、毎日ぶっ続けでチェンソーや刈払い機の世話にならなければなりません。日々のメンテはもちろんのこと、ちょっとした修理や調整は自分たちの手で行いますが、年に一度ぐらい、ドック入りをしなければならない壊れ方をすると、必ずここで直してもらいます。本当は年に一台ぐらいずつ新車を買って売り上げに貢献したいのですが、相談はいつも修理のことばかりです。

 たとえば、今日は日曜でお店は休みだったのですが、どうしても今日中にお願いしたい部品があったので、電話で無理を言って早朝に店を開けてもらいました。こういう無理を聞いてもらうことで、これまでどれほど助けられたか知れません(故障はいつも突然ですから)。日々そまびとが順調に働くことができるのは、こうした大勢の人たちの支援があるからこそなのです。

 簡易製材機のことや林道のことなど、つい時間を忘れて長話をしてしまいました。「現場からの声を製品に反映させることも販売店の仕事」とこころえているそうです。こういうお店が地域の林業を支えています。

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山口さんのもうひとつの商品でもある薪ストーブ。冬はこの炎を見ながら商談です。右後方は修理のための作業机

戦後復興を支えたもの(ちょっと抽象的な文章)

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山には時々不思議なものが落ちています。画像に写っているのは、昨日まで作業を行っていた天然生林で見つけました。さて、これは何?

 先輩にたずねたところ「かん」と呼ぶものだそうです。漢字ではどんな表記になるのでしょう。「閂」、はたまた「貫」でしょうか。山から材木を引き出す土引きという作業の際に、これを丸太に打ち込み、馬で引き出してきたとのこと。
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生き物を観察する森づくり

林業の世界では、森林生態系保全を最大の目的とした森づくりは、まだ一般的ではありません。その理由はまたの機会にお話するとして、今日は、今行っている世にも珍しい森の生き物のことを考えて作業する間伐の紹介です。

 森の自然度の話題になると、原生林のすばらしさがよく引き合いに出されますね。「やがて野となれ山となれ」というのは只木良也著:ことわざの生態学(丸善ブックス)によれば、放っておいても草原→低木林→森林となる十分な降水量を持つ地域だからこそ生まれたことわざで、砂漠地帯では生まれようもない言葉だそうです(ちなみに只木先生は一昨日紹介した国民森林会議の現会長)。ですから、原生林を望むのであれば、極端な話そのまま放っておけば良いのでしょうが、私は原生林は思いのほか動物の気配の少ない場所であると感じています。
 

 今回手入れの相談をしてくださったこの森の管理者は、森が暗くなってしまったことを嘆き、何十年か前のこの森のイメージに近づけたいとの希望でした。かつてはワラビが生えて、ミヤマクワガタがたくさん居たそうで、全部伐ってしまうのではなく、少しでもそんなイメージを復活させて、ここを訪れる子供たちに観察してもらえるようにしたい、ということでしたので、林床に光を入れ、小さな皆伐地も設けて、間伐した木は昆虫の棲家や発生場所としてできるだけたくさん集積する、という提案をさせてもらい、作業がはじまりました。3年前に同じ作業をさせていただいた隣接するエリアでは、狙いどおりワラビが元気良く茂っています。ミヤマクワガタの状況もこの夏には調べてみようと考えています。

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天然生林の広葉樹(シラカンバは先駆樹種)を間伐したところ

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空を見上げると、木のあった場所にポッカリと穴があきました

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倒した木を集積しているところです

国民森林会議

設立趣旨書のタイトルは「森林の未来を憂えて」。皆さんは1982年1月9日設立の国民森林会議をご存知でしょうか。森林に関係する日本の頭脳と呼べる皆さんが核となり、これまでさまざまな提言や講座、定点観測、森林フォーラム、自然学校などの活動を行っています。

 この会が季刊で出している会報「国民と森林」が、この春めでたく100号を迎えました。そんな節目の年に、国民森林会議のホームページもリニューアルされたので、今日はそのことをお知らせいたします。

 今日は会員の一人として宣伝させていただきました。何はともあれ、ホームページをご覧ください。

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野生生物問題はヒトの問題

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本業の稼ぎとは直結しませんが、実は林業と深く関わっているということで、昨日参加してきた「カラスシンポジウム」なるものの報告をします。(今回は長野県にあるNPO信州野生生物保全センターの活動の一環として参加しました)

 カラス(特に都会の場合はハシブトガラス)が人間の生活圏に増えて、人間との間にいろいろな軋轢を生じているということが報じられています。そして、報道や出版物などのおかげで、実は都市のカラス問題は人間のゴミ問題の結果なのだ、ということもよく知られてきていることです。

 田舎の場合でも基本的には同じなのだな、ということを昨日のシンポで勉強してきました。田舎でもカラスを効果的に養っているのは、冬の間の餌欠乏期の畑に放置される果樹の残渣(ざんさ:商品にならず捨てられた収穫物)の可能性がかなり高そうです。しかし残念ながら、そうした因果関係をはっきりさせたり、駆除や防除とその対象となる生物の個体数の関係を徹底的に調べるという文化が、日本ではあまりにも未熟なため、結果的には被害を減らすことができずにいる、ということも今回改めて納得してきました。

 人間は他者と軋轢が生じると客観的な判断ができなくなる生物です。ところが、野生生物はそのあたり「生きるための戦略」が極めて純粋ですから、まずは私たちがもっと賢くなる社会づくりにはげまなければいけないように思います。

 日本の法律は、野生生物を国民共通の資源として位置づけています(そのことを知っているきこりは極めて少ない)。ですから、カラス(特に田舎の耕地に面する人工林の場合はハシボソガラス)を含めた野生生物の棲家に直接立ち入って、その環境をかく乱をする作業者ひとりひとりが、こうした野生生物に関する知識を持たずに居る、という状況は、私には滑稽に思えてしかたありません。

 今回のシンポで語られたような「野生生物に関する客観的なデータを得る」ことに、もっと公的なお金が注がれるような社会づくりをすることは、たぐい稀な自然環境を維持できていた国土のことを思い起こすとき、その価値を知る人々が一刻も早くやりとげなければいけない仕事のひとつだと考えます。

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二羽居るカラス。微妙に違うところがあるのですが、わかりますか?

木登り(特殊伐採)

支障木! けなげに生きている木を、人間の都合だけでこのように呼んでしまうのは気の毒なことですが、以前にもお伝えしたとおり、森の中に暮らすことをイメージして別荘を建て、敷地の木が大きくなることを楽しみにしていたのに、気がつくとその木が建物の脅威や、落ち葉で屋根を腐らせる原因になってしまっている、というケースが少なくありません。

障害物があり、そのまま倒すことのできない木や枝を切る場合、

①クレーンなどで吊るしながら切る
②高所作業車を使い、上から刻む
③人が登って、上から刻む

などの方法がありますが、①や②は機械が入ることのできる場所でしか作業できませんし、機械やオペレータをチャーターするために費用が嵩みます。
 一方、③の方法は場所の制約を受けることが少なく、費用も三つの中では一番安くすみます。と言うことで、今日は半日木登りをしてきました。理事長が散髪しているのはヤエガワカンバです。

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でき型管理

不覚にもインフルエンザの餌食になり、1週間寝込んでました。久しぶりの書き込みです。

 仕事が何日にも渡る場合、その日の作業がどの程度進んだかを確認し、出来上がった部分の数量を目に見える形で記録してゆくことを、一般に「でき形管理(できがたかんり)」と呼んでいます。こうすることで、全体の工程の中での作業の進捗状況や、残り部分の量の把握ができ、その後の作業の計画を調整することができるようになります。

 GPS(Global Positioning System)を山の現場のでき形管理に使うことは常識になりつつありますが、そまびとクラブでもようやく、経緯度情報だけでなくPDAの画面上に写る施業図に、カーナビのように直接現在位置をプロットする方法を試行しはじめました。

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衛星受信には立木が邪魔になります。本体内蔵のアンテナでは、衛星捕捉まで時間がかかるので、外部アンテナをヘルメットのてっぺんに付けた方がよさそうです

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1/25,000地形図に、作業箇所の境界点をプロットしているところ。PDA液晶画面の中の赤い点が見えますか
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