藤森隆郎が訪ねる新たな森林管理の現場

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「森林生態学」「新たな森林管理」の著者である藤森隆郎先生が取材にみえました。このサイトの運営者である(社)全国林業改良普及協会の機関誌林業新知識の連載記事のための取材です。

 いま仕事を進めている現場での取材一日目(4月27日)の様子は、信州そまびとクラブメンバーとの集合写真が届いてからまたあらためて載せます。今日は、地元の篤林家の山に案内した二日目の様子を紹介します。

 樹齢100年以上と思われるカラマツと、さまざまな広葉樹が混交しているこの山は、私が村の中で一番気に入っている場所です。木や森が大好きな所有者の奥さんに森を案内していただきました。隣接するアカマツ林(ここも樹高20m以上に育っています)の木がだいぶ込み合っており、将来の生産を望むのであれば、まっすぐに生育している木の成長の支障になっている不良木を間伐した方が良い、ということになり、「杉山さん、お願いしますよ」と言っていただきました。
 先生を案内した結果が、営業に結びついてしまいました。

総会準備

4月28日に行う総会の準備がすすんでいます。いうまでもなく、この一年間をふり返り、目標値と照らし合わせて反省と評価を行い、それに基づいてこれからの一年、また必要に応じ長期の視点で計画と予算を立てる。それらを、日頃から支援してくださっている会員の皆さんに報告する。という会合が総会です。

 が… ミッションを掲げ、毎年予算を組んでいても、結局は食べることに精一杯になってしまい、目標がどの程度達成されたのか、達成されないとすると何をどう直さなければならないのか、などがわからず、とにかく前年の達成値を目安に、毎年少しずつ予算の目標を現実的な値に調整してゆくといのが、今までの流れです。

 そうは言っても、運営して5年目ともなると、いろいろなことがわかってきました。たとえば事業のバランスです。
 そまびとクラブの事業は、比較的収益性の高い事業(たとえば請負い作業)で得られたものを、収益性が低いか、または無い、それでいて公益性が高く有用と考えられる事業の人件費に注ぐ、という方法で進められているのですが、昨年度一年間に行った147の全事業に従事した人工を分析すると概ね収益のある事業7に対して、収益の無い事業3という結果が出ました。そして、運営してみた実感では、現体制ではこのあたりが限界ではないかな、ということがわかります。
 今年度からは、会計担当者の頑張りのおかげで、この147の事業ごとの収支が一目でわかるようになりました。このようなデータをもとに、新年度の経営戦略をたててゆきたいと考えています。

 来週には、反省と計画のダイジェストをこのページでお知らせすることができると思います。

まだまだ降ります

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先日のテレビのニュース映像に、阿蘇の雪が流れていましたが、同じ日、私たちの現場も負けないぐらいの雪に見舞われました。村の中はみぞれ程度だったので、半日ぐらいは仕事をできるだろうと登ってみてビックリ。1550mあたりはご覧のとおりでした。ちなみに、何回も書いていますが、信州と言えども、ここから少しのぼれば、そこはもう秩父です。

里ではヤナギの花が咲き始め、ようやく春らしくなったある日のできごとでした。

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言行不一致

モモンガの営巣木を倒してしまいました。現場は標高1670mぐらいのカラマツ造林地。実生の形の悪い樹高8mほどのアカマツを倒したところ、私の横の地上を何かがスルスルと走りぬけるではありませんか! 彼女(たぶん彼女)は私から5mぐらい先の細いミズナラに身を隠しながら、こちらの様子をうかがっています。急いで携帯電話を出して「パチリッ、」。
 この木を倒すとき、鳥の古巣があるな、とは思っていたのですが、確認してみるとそれは現役の巣でした。

 日頃から「たとえ生産を主目的とした人工林と言えども、この野生生物の豊富な国土の3割近くを覆っているのだから、手入れの際にはもっと生物の暮らしに配慮する必要があるのでは」と言っている本人が、結局はこういうことをやっているのです。この日(おととい)は一日憂鬱な気分になりました。 …実はこういうことは時々あるのです。

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上の画像の矢印部分の拡大です。子供はまだ母モモンガのお腹の中なのか、それとも巣の中なのか、確認する術はありません。

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手前の手袋の大きさから、巣のサイズがわかるかと思います。巣は枯れ枝をかご状に組み合わせた中に、落ち葉を編むようにして作られていました。

キハダ

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山での昼休み、突然内職が始まりました。来月、林業体験で受け入れる千葉県の中学生のために、キハダの内皮をはがしているところです。

 この皮には健胃成分が含まれているそうで、漢方薬にも使われています。かむと苦味がして、いかにも良薬という感じ。私は何回か二日酔いのときにこれのお世話になったことがあります。

 今度受け入れる中学生は、私たちが昔ながらの山暮らしをしていると思っているらしく、事前に届いた手紙には「食料はどうしているのですか?」というような質問があったとか…。そんな彼らにこのキハダを味わってもらおうというわけです。反応が楽しみだな。

分教所を拠点に

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日ごろお世話になっている大沢地区の新田というところに、たいへんに貫禄のある分教所だった建物があります。この建物が大好きな私たちは、様々な行事の際に、いつも泊まらせてもらったり、食事をさせてもらったりしているのですが、毎月きちんと家賃を払って事務所として使わせてもらうには、正直なところ経済的に難しいと感じていました。

 ところがある日、毎年ここの財産区をお借りして開催している「ゆかいな山仕事講座」の打合せの席で、財産区の議長さんから「都会の人たちに大沢に来てもらいながら、分教所を活かせる方法を考えられないか」という要望が飛び出したのです!
 この発言で、私たちが地域に貢献できそうな事業を作り出し、その上がりで分教所を、地域振興やそまびとクラブの活動の拠点にする可能性が出てきました。
 今のところ、主人公は分教所です。でも、この話の背景には「ここをもっと活かしたい」という地域の人の内発的な気持ちがある。…ここがいちばん強いところ。そして地元のNPOが日ごろからウロウロしている。

 ここにはまだADSLが届いていませんが、たくさんの人がたずねてくれる新田をつくることで、ADSLもついてくる。そんなシナリオを考えはじめたころです。

花冷え2

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今日も現場には雪が舞いました。水を揚げはじめたサルナシを切ると、ポタポタと水がしたたり落ちます。冬の名残と春の訪れのコントラストを出したかったのですが、いかんせん携帯電話のカメラでは難しい!

 現場はかなりの奥山です、そして今日手入れをしたエリアは、植林したカラマツが蔓植物に負けて全滅してしまった場所。だから将来大きく育ちそうな広葉樹を残し、その広葉樹に影響のない、クマの餌になりそうな植物を残しておいた方が、クマを山から下ろさないという意味で役立つような気がするのですが、「蔓を見たら切る」が林業の常套句。

 こういう素朴な疑問も、設計する側の人たちに提言してみようと思っています。

産泰神社のお祭り

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お祭りというと笛太鼓の音や出店を思い浮かべますが、静かな、しっとりとした晴れやかさとともにあるお祭りも、なかなか良いものです。

 春のある朝、散歩道の途中にある神社が提灯で飾られ、大きなのぼりがはためいていると「そろそろ百姓の時期だな」などと感じながら、またしても神とともにある暮らしに深い安心感のようなものを覚えるのですが、村誌を確認してみて「それもそのはず」と納得しました。

 この安産の神様は、由緒書によれば文久二年と言いますから新撰組の時代にここに勧請されて、ずっと村の女性たちにとって命がけの大事業であるお産を見守っているのです。みんなは親しみをこめて「さんたいさま」と呼んでいます。言ってみれば、中山間地医療の元祖みたいなものでしょうか。

 日本の神々は、春になると山から下りてくると聞いていますので、我が家の周囲も、そろそろ八百万の神でごったがえしているのでしょう。

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神社に通じる男橋の欄干に並ぶ灯籠 夜は蝋燭の灯がともされます

花冷え

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言葉はいらないと思います

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