地元高校での自然塾

日頃からお付き合いいただいている地元の高校で、今回は新たなスタッフ体制で自然塾に臨みました。私は残念ながら参加できなかったので、担当した信州そまびとクラブ専従職員の今井からの報告を、そのまま掲載します。追伸に登場するIさんというのは、設立当初からボランティアスタッフとして支援してくださっている森林インストラクターです。

昨日、臼高自然塾の樹木偏「樹の図鑑をつくろう」無事終了いたしました。
 暑い1日でしたが、野外での樹木スケッチは、樹形・樹皮に留め、葉・枝つきのス
ケッチと色塗りは、切り取って教室で書いてもらうようにしました。
 また、臼高からジュースの差し入れも有り、帰りにはカブトムシのお土産付で、子
供たちは楽しんでもらえたようです。
 子供達の観察力や図鑑として絵を描いて完成できるかが心配でしたが、大人よりも
絵を描くことに慣れていること、また既成概念に捉われず、のびのびと描けていてこ
れもまた在りかなという感じでした。今回のテーマ、1本の樹の観察のポイントを覚
えてもらえたのではないかと思います。
 Y先生がお忙しく、生徒たちの準備不足や打ち合わせ不足等々ありましたが、反
省点や工夫が見えましたので、来年度も続くようでしたら完成度を高めて行きたいと
思います。

追伸 
Iさんも忙しい中、助っ人に来てくれました。

お泊り保育

一昨日の晩、地元の保育園から電話をもらいました。「要さん、突然ですみませんが、明日お泊り保育なんですよ…」。 ”お泊まり保育” ほんとうに久しぶりに耳にした懐かしい言葉でした。

 村にふたつある保育園では、毎年この季節、年長さん全員が園でのお泊りを体験することになっています。以前、私も毎月の山の神の休日に園に遊びに行っていた関係で、この日の晩のフォークダンスと花火に呼んでいただき、就寝前、子供たちに読み聞かせをさせてもらっていました。

 この4年間、ずっとその活動も休止状態だったのですが、私の活動の軸が再び村に戻ってきたことを敏感に察知した保育士さんが、誘いの電話をくれたのです。仕事の関係で、夜のお楽しみ会には参加できませんでしたが、今回も私の愛読書「川上村のお話どんぶり」中嶋初女著 ’櫟’から、月夜の鹿というお話を聞いてもらいました。

講座の名称が変わりました

新しい名称は「おおさわ山守塾」。佐久市の大沢財産区で10年間続いてきた山仕事の講座の名称が、このたびリニューアルされました。

 もともと、浜田さんという方と仲間のみなさんが、都市部に暮す森林・林業を応援する人々と、山側の人々の交流をめざして始められた「愉快な山仕事講座」。林業の現場後継者の減少を憂い、長年講師を引き受けてくださった、島崎洋路先生の期待に応えて、多くの積極的な森林ボランティアを輩出してきました。歴史ある講座を、力不足ではありますが、地元の林業NPOということで信州そまびとクラブが引き継ぐ形で進めてきました。

 このたび、10年という節目にあたり、名称を変えてはどうかという声があがり(恥ずかしながら、仕事に感けて、その場に居合わせなかったため、私には経緯や理由がわかりませんが)、長年関わってくださっている同窓生の皆さんの意見などを集約しながら、おおさわ山守塾として新なた出発をすることになりました。

 たいへんお世話になっている大沢の地の名前を冠すことで、地域との関わりを示し、山を守る人材を増やしてゆく。そういう目的で、これからも毎年開催してゆく予定です。

 すでに右側のお知らせの欄に載せているとおり、今年は9月8日と9日の一泊二日での開催です。興味のある方はご一報ください。

5年生と自然観察part2

070719mawarime1.jpg

まとめの時に見せてもらった、もうひとつのクラフト班の作品から、山荘支配人の名指導者ぶりが伝わってきます。

17日に続き、村にあるもうひとつの小学校のキャンプ教室をおじゃまし、自然観察の手伝いをしてきました。

 まずは耳ならしから、「目をつぶって、何が聞こえてくるか神経を集中しましょう…」。
 

   風のささやき
   長雨で増水したときの力強い川の音
   ウグイス
   セミ

 と、視力というフィルターから開放された意識は、たちまち多くの情報を数えはじめます。

 何かを見つけるたびに私が発する問いかけに、すかさず子供たちから手が挙がります。それが難しい問いかけでも、彼らの想像力はビクともしません。「今日の子供は反応が良い」と、こちらも次第にテンションがあがってゆくのがわかります。

 この日の子供たちの発見。

   土柱(どちゅう)
   シカの足跡と食痕
   今年はじめてのコエゾゼミの声
   柳絮(りゅうじょ)
   ホオジロのさえずり

 
 楽しい観察会が終わったあとは、いつもの草刈のおじさんに戻りました。案内の季節はこれで一段落です。 

070719mawarime2.jpg

立つ鳥跡を濁さず。観察の最中にも森の中のゴミを見つけて回収してくれる子がいたりして、大人としては恥ずかしい思いをしました。

5年生と自然観察

070717karasawa.jpg

今年も地元の小学5年生のキャンプに同行しました。場所は村の南東端、秩父多摩甲斐国立公園内にある廻り目平キャンプ場。フリークライミングをやっている人のあいだでは、国際的に有名な、自然豊かな場所です。

 毎回、天気予報を睨みながらの開催になるのですが、今年は子供に軍配が上がったようです。学校から10分ほどバスで移動しただけで、こんなに美しい森の中で寝泊りができるなんて、この地域の子供たちは、ほんとうに幸せだなと改めて感じました。

 今日の目的地はキャンプ場から1時間弱登ったところにある「唐沢の滝」。彼らが保育園に通っている頃、よく遊びに行ったことがあるので、みんな「要さん」を覚えていてくれました。もちろん一生懸命刷り込ませてもらった「カラマツ」のこともよく覚えてくれています。

 明後日は、村にもうひとつある第一小学校の5年生と、この森を歩きます。

キャンドルサービス

070716camp1.jpg

左がキャンドルサービスの際に朗読した「川上村のお話どんぶり」。右は要林産の新製品、カラマツ間伐材の巣箱(プロトタイプ一号)

 先週末に引き続き、都市部の自治体が主催する自然体験講座の案内をしてきました。

 これは昨年もお手伝いさせてもらった、父と子による自然体験がテーマの事業で、今回は7組の親子を対象に、まずは森の中で簡単な森のお話と、希望するお父さんにはチェンソー体験をしてもらったあと、その間伐材で作る鳥の巣箱キットを用意しました。

 普通、巣箱づくりと言うと、トントンと組んであとは好きな木にかけておしまい、というパタンが多いように思うのですが、要林産の場合は巣箱の穴のサイズやら、かけ方、中の掃除にいたるまで、細かく講釈がつきます。 

 台風大雨が確定した段階で、夜のキャンプファイアーをキャンドルサービスに切り替え、ゆらゆら揺れるろうそくの炎の下、画像にある櫟(いちい)という佐久の出版社から出ている私の愛読書”川上村のお話どんぶり”(中嶋初女著)の朗読をしました。ちょうど会場になった施設のあたりを舞台にした「お方ぶち」というお話は、私のお気に入りのひとつです。
 ゲームやジェンカでキャーキャー楽しんでいた子供たちも、しんみりと話に聞き入り、ひとりひとり感想も聞かせてくれました。

070716camp2.jpg

巣箱の端材に書かれたお手紙は、宝物のひとつになります。

チルホール

070714tir1.jpg

言ってみれば人力のウインチ。木を引き倒したりする際に使います。黄土色の本体をワイヤーなどで支点に固定。画像左の本線ワイヤーを倒したい木にセットして、本体に通し、レバーでギコギコやります。滑車は引っ張る力を、安全な方向へ変えるために使います。

 起業にあたりまず買い揃えた道具を紹介します。チルホールという名前は、恐らく林業関係でしか耳にしないのではないでしょうか。これで木を引っ張って、倒す方向をコントロールしたり、他の木の枝に引っかからないようにします。木を倒すだけでなく、人力では動かない材木を動かしたり、ぬかるみにはまった自動車を引き出すのに役立った、という人もいます。

 私が購入したT-7の引っ張り能力は750kg(倍の1500kgありますが、750kgで安全装置が働く構造)。定価75,000円。滑車は南星のE04。これらの道具を立ち木に固定する際に、ワイヤーを使うと傷をつけてしまうので、下の画像に2本写っている35mmナイロンスリングを使います。2本とも長さ3mで強度800kg。スリングは大きなホームセンターでも入手できます。

070714tir2.jpg

人材

小学校に出入りしている縁で、学校の先生から講師探しを依頼されることがあります。先日、6年生の担任から「これから社会で室町時代に入るのだけれど、誰か水墨画を子供たちに教えてくれる人はいないか?」と言われました。私は近所で書道教室をやっていた先生の顔を思い出し、お安い御用と早速先生のところに相談にうかがいました。

 先生は快くひきうけてくださり、昨日学校の先生とお宅にお邪魔しての打ち合わせだったのですが、私の仲立ちがいかに安請合いだったかを思い知らされました。いつも犬の散歩の時に世間話をするだけだったのですが、その書の先生は、様々な大会に名を残す大家であり、画を得意としていて、村の内外にずいぶんたくさんの襖絵を納めている方だったのです。

 短い打合せの間に拝見した墨や硯のコレクションと作品の数々に、学校の先生ともども圧倒され「これはたいへんな人に気安く声をかけたものだ。でもこんな人に接することのできる村の子たちは幸せだな」と感じながら帰宅しました。

 興奮冷めやらぬ担任の先生は、帰りの車中で「こりゃーもったいないや。子供たちだけでなく授業参観の日に合わせて親たちにも見てもらう。いや待てよ、ウチの子たちだけじゃなく第二小学校の子たちも呼ぼう」と、プロジェクトをどんどん拡大させている様子。なんだか大変なことになりそうです。

 「人脈」や「人材」という言葉はあまり好きではないのですが、今回のことを端的に示すにはこの言葉しか思い当たらないのでタイトルとしました。道を究めた人に気安くお願いができて、地域の子供のためとあらば簡単に一肌脱いでくれる。田舎恐るべし。

キャンプファイヤー

都市部の自治体が所有する施設から、キャンプファイヤーの依頼がありおじゃましてきました。

 都会からのお客さんと接するたびに、この緑に包まれている田舎の環境がどれほど尊いものであるかを再認識します。自分にとってはあたりまえのことでも、多くの人にとって森の中で出会うものは感動をもたらすもの。田舎が田舎であるということには、自分が感じている以上に大切な何かがあるのではないだろうか…、そんなことを近頃よく考えます。

 
 今夜は、6組の家族連れが参加するキャンプファイヤーと聞いて、思い込みによるとんだ間違えをしてしまいました。ちょっと景気付けにジェンカを踊ろうと考えたのですが、参加者の顔ぶれを見てビックリ。けっこう年配の方が何組か来ていたのです。次回からは参加メンバーのことをよく確かめてからプログラムを組もうと思います。

電気柵の効果は?

070705box0.jpg

山仕事の成果というのは、とかく見えにくいものです。

 一日の間伐や草刈作業が終わり山を降りるとき、ふり返ってみるとその日の「仕事をした量」は目で見てわかるのですが、はたしてその作業をしたことが、保育する木の成長にどれほど貢献するのかということは、数年経たないとわかりません。

 それに比べると、この電気柵の手入れといのは一目瞭然。作業前と後で、柵への電流の流れ具合が表示の違いでわかるのです。高圧電流は一秒間隔ぐらいのパルス状に発射され、それに伴って画像のようにインジケータのLEDが赤から緑までピョンピョン伸びたり縮んだりします。上の画像は作業前。LEDは赤いところで止まっていますが、地絡している柵を修理し、柵に触れている草をすべて取り除くと下の画像のようになります。

 「自分の流した汗がそのまま鹿防除に役立っているのだ」と実感する電源ONの瞬間。一日の疲れが吹っ飛びます。

070705box2.jpg

動物よけの電気柵の電源部分。私の村ではACとDCの二種類を使っていて、これはACタイプです。柵線モニターの部分が緑まで表示されているのがわかるでしょうか。

製品開発

以前紹介した村内の製材所に、合板用の選木からはねられたカラマツ材を持ち込み、賃挽き(ちんびき:一定時間の手間賃を支払い製材してもらう)で製板してもらいました。

 末口22センチの丸太から、15mm厚、15cm幅の板が11枚とれました。これが記念すべき要林産のオリジナル商品第一号になる予定です。これから商品開発(というほどのことではありませんが)を行い、形になりましたらここでまた紹介しますね。

070704log.jpg

製材機の台車に乗った丸太。けっこう太くて重いのですが、小さく見えますね。

070704boad.jpg

この板から製品が生まれます。お楽しみに。

軽トラ

070703truck.jpg

田舎暮らしを百倍ぐらい快適にする道具の一つに軽トラックがあります。この大切なお道具を、私は村に暮して13年目になる今まで所有したことがありませんでした。2000ccのワゴン車を持っていたので、たいていのものはそれで運べば良いと考えていたからなのですが、軽トラに乗るようになった今、それがいかに愚かであったかがわかりました。

 今回の起業にあたり、まず探した道具が軽トラでした。経済的に新車を買う力が無かったこともありますが、まだ十分に乗ることのできる中古というものがあるのなら、それを使えなくなるまで使うことが社会貢献(お金が無いことの言い訳に聞こえますが)であると考え、村の中枢である修理工場に予算を話し、写真のサンバーにめぐり合うことができたのです。
 数十キロ下れば中古車店がいくつもあって、軽トラもたくさん並んでいるのですが、村中で買うというところがミソだと思っています。今後、いろいろな点でアフターサービスを受けやすいことに加えて、できるだけモノは村の中で買うことが村の経済のためにも良いことだからです。

 燃費は14~5km/L。どんな狭い場所でもスイスイ入って行く機動性と、350kgの積載要領。軽トラは日本の自動車業界の偉大な発明品です。走行28000km 平成11年製で車検3ヶ月つきの4WD。さて乗り出し価格はいくらだと思いますか?

今年も鹿対策

070701denboku.jpg

鹿の突破により切断された電気柵 画面右手前から縦方向に張られていた電線が切断され、真ん中の土の露出しているところが鹿たちのハイウェイ。遠くに、倒れた支柱や、つながっていたはずの支柱が見えています。

 高原野菜の畑全体を、獣害防止のための電気柵が囲んでいることは、昨年も紹介しました。この柵に木の枝が落ちたり、草が触れたりして次第に柵全体の電気の威力が落ちてしまい、やがて動物たちが突破すると、そこはもう動物たちの専用通路になってしまいます。

 畑が忙しくなる前に、村の役員衆が点検と修理をして歩いたにも関わらず、写真の場所は一ヶ月足らずでズタズタにされてしまいました。これからの繁忙期、この草刈と修理作業が私の大切な仕事になります。

 草刈り機を背負い、山を歩きながら、「この鹿を何とかしなければ」と思いつつ、今日も日が暮れてゆきます。鹿のおかげで仕事をいただいているようなものですから、矛盾しているようですが、野生としてあるまじきレヴェルにまで増えてしまった種には、やがてそれなりの不幸がやってきます。そんな原因を作ったのは言うまでも無く(これまた不自然に増殖している)私たちなのですから、やはり「数」のことを考える責任もあると思うのです。

 近頃、真剣に鉄砲をはじめることを考えています。いくら口で「食べる文化を」などと言ってみたところで、さばくこともできないようでは所詮は空論。ここはひとつ食育の意味でも、村の保育園のこどもたちと鹿をさばくお祭りでもやってみたいですね。

起業のための相談(取引銀行を決める)

事業開始の準備のひとつに銀行口座の開設があります。個人事業主として生計を立ててゆくだけなのに「取引銀行」などと表現すると、とても大げさに聞こえるかもしれませんが、そんなことはないのです。

 たとえば、今あなたはとても若く、独身で、とりあえず自分ひとりが食ってゆけるだけの事業量を確保できさえすれば良い、と考えているかもしれませんが、目線を少し遠くに(つまり将来に)移してみた場合どうでしょう。事業には漠然としてではあっても計画があるでしょうし、それが明確な人ならばなおのこと、今後発生するであろう様々な取引のことを考えてメインバンクを決めることが重要になるのです。

 このことは、さまざまな起業のための情報本や、ネット情報にも書かれていることですが、私はそれに加えて、自分の地域に近い場所に暮らしている、長年事業を営んできた経験のある方にも、口座開設にあたっての注意点をたずねてみました。

 当地にはまず、日本の田舎ならばどこにでもある農協という金融機関があり、それに加えて○○信用金庫の出張所が一軒あります。しかし、相手の答えは意外なものでした。いわく
「あなたがもしも今後事業で大手企業などとお付き合いをする計画があるのならば、農協や信用金庫ではなく、○○銀行と名のつくところと付き合いなさい」。そして、私がすでに口座を開設している○○銀行の名をあげると、「それでは、その口座を開設している同じ支店で開設するべきです」との助言をいただくことができました。

 もちろん私は、一介のフリーのきこりふぜいが、今後大手企業と取引をするような場面は想像していないのですが、いくつかの想定に基づいたアドヴァイスと、実績ある人のパワーに催眠状態になったとでも申し上げておきましょう、とにかくここは大事をとって○○銀行に要林産としての口座を開設することにしました。

 事業拡大の必要があって銀行から融資を受ける際、銀行はその取引相手、つまり通帳に記帳される入金相手の名前の信用度も評価するのだそうです。それが公共事業をこなしている証であったり、大手企業から仕事を直接請負っていることの裏づけともなるわけです。また、同じ支店で古くから口座を持ち利用していることが、安定した生活を送っていることの証明になる可能性もあるのだそうです。

 もうひとつ、起業ノウハウを扱った本からのエピソードに、こんなことが書いてありました。若くして起業し事業を行っていた人が、ある日設備投資のための数千万円の融資の相談をメインバンクに持ちかけた際、すんなりと融資を受けることができたのだそうです。その人は、将来に備え、たとえわずかな額ではあっても、起業前からメインバンクに定期的に積み立てを行っており、その実績が融資の決め手のひとつになったということです。

 なんだか、常にお金を借りることばかり想定して起業の話をしていますが、準備資金や拡張資金は、もちろん手持ちですべて賄うことができるに越したことはありません。ただ、こういう準備作業を進めてみてわかったのですが、多くの事業家が資金をやりくりしていることを実感し、その過程をシェアしてみたくて書き込んでみました。事業を営むということには、目に見えることの何倍もの苦労があり、信用の蓄積や大勢の人の支援があるのだ、ということを改めて噛みしめています。