千曲川源流へ

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我が村に、日本最長の川、全長367kmの信濃川の最初の一滴がしたたり落ちるところがあります。千曲源流は長袖シャツでも3分座っているとゾクゾクしてくるような涼しさでした。それもそのはず、源流は標高2200mの樹林帯なので日光もあまり差し込みません。

 今日は8月に行なわれる清掃イベントの下見を兼ねて、登山道の看板や橋の状況をチェックしに行ってきました。以前自分が架けた橋を渡りながら「おっ、まだ3年は大丈夫だな」などと自己満足しながらの山歩き。皆さ~ん、この川の最上流の橋は、私が作ったんですよ。などと言ってみたところで、いずれ架け替えられてしまうんですけどね…。

薪割りイベント

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都市からの移住者の多い地域では、薪ストーブにあこがれて導入してみたものの、肝心の薪の入手が難しい、あるいは、薪の購入に思いのほかコストがかかってしまう、という人たちが少なくないようです。昨日は、そんな薪調達に苦労している人たちを対象に信州そまびとクラブが開催した薪割りイベントの手伝いをしてきました。

 森に囲まれた地域の人々ならば、低炭素社会実現のために熱源に木を使うことはとても効果的なことだと考えます。私自身がまだ油を燃やしている身で言うのは説得力のないことですが、薪ストーブを使って暮らしている人たちは、社会からもっと認められてしかるべきなのではないでしょうか。

 手伝いが忙しく、とても参加者の皆さんの様子を写すことはできませんでしたが、昨日のイベントは「必需品である薪をつくる」という動機もあってか、妙に参加した皆さんとの一体感を感じる内容でした。雨の中なのに黙々と割り当てられた作業をこなす10組の人たちの姿に、薪と言う、その活用に一定以上の労力を伴う燃料を選んだ人に共通の、勤勉さのようなものを感じ、わけのわからない嬉しさがこみ上げてきました。

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Brave社製ログスプリッタ、昨日はこれが2台フル稼働しました

空とぶ森の皆さんの研修

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13年も村暮らしをしていると、自然の豊かさが日常になってしまい、そのありがたさが見えなくなっていることに昨日気づかせてもらいました。

 神奈川県川崎市に事務所を置くNPO法人空とぶ森のみなさんが来村し、森を案内したのですが、当地ではどこでもあたりまえのように見られるベニバナイチヤクソウの群落が、実はとても貴重なものだ、ということを教えていただきました。これじゃ、どっちが案内人だかわかりませんね。コミュニケーションは大切です!

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間伐後の成長を感じる

県林業総合センターの調査のお手伝いをしてきました。

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 ここは2006年4月にそまびとが収穫間伐を行なった50年生ぐらいの個人所有のカラマツ林。選木手法の違いによる遷移の差を見る仕掛けになっており、さすがにミリ単位で成長量を見てゆくと、自分の選木の良否がピタリとわかり、実にためになります。モニタリングの意味が本当によくわかりました。

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 こちらは、比較のために設けられた未施業区。真っ暗ですね。また何年かしたら手を加え、経年変化を観察し続けることになっています。

ギターの材料

先日、日頃からお世話になっている人たちに村に来ていただき、夜通し話しをする機会がありました。林業関係の人が多く、せっかく仕事ではない用件でお呼びしたのだからと、「木へん」の付かない話題探しに趣味のことなどをたずねてみました。するとある方から「バンドをやってます」とのお答え。私も学生時代に夢中だったので、ひとしきりジャンルのことや担当楽器のことで盛り上がったのですが、テーマはいつの間にやらギターの材料、つまり結局は木のことに…。

 仕事がら、国産材の使われ方に詳しいその方いわく「ギターには、まだ国産材が使われていないのではないか」とのことです。ちなみに前回お伝えした私が新調したギターの仕様を見てみると

 グレッグベネット製アコースティックギター(たぶん made in china)
 使用材
 ボディトップ: シトカスプルース単板
 ボディサイド&バック: ローズウッド単板
 ネック: マホガニー
 指板: ローズウッド

と、外国産木材の展示会のような内容です。不勉強な私には、これらがどんな木でどこからやって来るのか見当もつきません。おまけに製造工程まで海外です。

 スノーボードでは地元産のカラマツを意識的に利用しているメーカーがあり、ユーザーの側にも国産の材料を使うことに一種のステイタスを見出す流れが出来上がっているそうです。また、オーディオでも積極的に信州のカラマツを使っているメーカーがあります。そんなこんなで、とにかく楽器づくりをしている人たちに、国産材のことをアピールできないかという話題になりつつ、その議論がどこに落ち着いたかはあまり記憶がありません。
 いずれにしても、たとえば今回の私のギターを、材料は外国製でも、せめて国内の工房でと考えると、価格は一気に20万円近いものになります。ですから材料も国産でとなると、いったいどのくらいの価格のものが出来上がるのか、一度楽器製造をしている方と話をしてみたいものです。

久しぶりに山の道具

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「なんだ、ギターじゃないか!」とおっしゃるあなた、そうです、ギターです。受験生をかかえるきこりにとって、嗜好品に63,000円の出費は無謀なことでした。でも1/3くらいは経費に組み込む予定です。なぜなら、こう見えてもキャンプファイヤー受け入れで使う立派なお道具なのですから。

専門学校で自然観察

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環境学という枠で、看護学校の皆さんとキャンパス周辺の自然を楽しんできました。たった2時間でしたが、雨の合い間をぬって鳥たちの生活を紹介させてもらいました。画像は教室に戻ってから外の自然に耳を傾けているところをパチリ。腕がわるくブレてしまってごめんなさい。

 「いっしょに歩いてみて、どうでしたか」との問いに、「日頃気づかなかったけれど、注意してみるとずいぶんたくさんの鳥が居るんですね」とのたくらみどおりの答えがかえってきて、こちらの目がキラキラしてしまいました。

 避けることのできない少子高齢化。実はまだ人間に対峙することが苦手で仕方ない私にとって、今後基幹となるに違いない医療や福祉の道を志す人は本当に素晴らしい存在です。そんな若い人たちの爽やかな反応に、こちらが癒されてしまった一日でしたが、できることなら、これから直面するであろう現場での乗り越えなければならない数々の過酷な局面で、今日の体験が少しでも良いから役に立てばと祈ってしまいました。

新生産システム

林野庁では今、木材の生産・流通・加工のコストダウンを図る新生産システムの普及をめざしています。私もこの業界に足をふみ入れた時、あまりにもすべてが前近代的であることに絶望に近い衝撃を受け「ここには改善すべきことが山の高さ以上にある」と考えていろいろと悩んだものでした。日々、一製品あたり秒単位での生産能率の向上が求められ、部品一点あたりのコストに至っては一銭二銭という単位があたりまえの世界から転職した者の視点ですから、あたりまえと言えばあたりまえかもしれません。ですから、政府が進めようとしている近代化も賛成です。

 ところで、要林産の生産システムには最新鋭のハーベスタもタワーヤーダは登場しません。先日4M材の注文を受けたときには、材が重くて担ぎ出すことができず、いろいろ考えた末に以下のよう「出し」を行いました。

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 この台車は、畑に苗を植えるときに使うもので、いつもお世話になっている農家からお借りしました。暗くてよく見えませんが、下の画像のように材木の片端を台車に乗せて、先頭側は人力でぶら下げて移動します。

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 作業に慣れてきた最後の2本ぐらいのとき、うっかり台車に丸太の全重量をかけたところ、台車がグニャリと曲がりました…。
 そんなこんなでなんとか運び出した丸太は別荘の柵に利用されているそうです。今回のお客さんは既製品にはない自然の風合いが好みで、わざわざ丸太を半割りにして使ってくれているそうです。こういうニーズには何が何でも応えたい、というのがウチの生産システムの基本です。

満一歳

気が付いてみると、要林産は満一歳を迎えていました。おかげさまで、そのことを忘れてしまうほど忙しいという、かなり幸福な状態で最初の設立記念日は過ぎ去りました。

 一昨日の林業体験の夜、いつものように反省会と称したアルコールミーティングがあったのですが、そこでも地元林野保護組合の皆さんの暖かさが身にしみました。今、自分にとって「地域」とは単語ではなく存在そのものです。空気や水のように、場合によっては職場である森よりも肌に密着した、そのことなしでは生きてゆけないものとでも言いましょうか。そして職員としての籍こそありませんが、信州そまびとクラブの仲間たちや、活動と仕事を通じて出会った人々のおかげで生かされているのだなと思います。

 今はまだ生かされているだけですが、「活かされる」よう進化したいものです。個人的なスケジュールでは、これからの9年間を勝負のときと位置づけているので、9年後、この満一歳の思いを読んだときにしょぼくれてしまわないよう「ひとつひとつのステップを粗末にすることなく働こう」と、己に言い聞かせています。

手作り図鑑続報

昨日は降られてしまったのですが、やはり林内での作業体験が何よりということで、図鑑作りは行なわず、地域の林野保護組合役員13名、森林組合3名、県林務課1名という豪華な顔ぶれで、子ども2名に大人1名という体制で除伐作業を行いました。

 夜は動物たちの気配を求めてナイトハイク。ライトに照らし出されたシカの群れに歓声があがりましたが、お目当てのコウモリが登場せず少し残念。

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 そして今日は快晴となり、36名の子どもたちは、みんなワラビ採りに夢中になりました。

 今回、ツアーのお手伝いをさせていただいたような都市部の保養施設は、いずれも指定管理の対象となっており、今後は公平競争の原理原則から単に「地元の事業者である」ということだけでは管理の受託が難しくなってゆくことでしょう。そのことを逆に自分たちのスキルアップのチャンスと捉えることができるかどうか、そして地域との結びつきという点で、総合的な地域力のアピールをできるかどうか、短い時間ではありますが、発注側の方との会話から、遅ればせながらかなり具体的な活動のヒントをいただいた二日間でした。

 時は流れ、私の子ども時代と比べると都内の小学生が置かれている生活環境や自然環境もずいぶんと変わったことでしょう。マーケティングではありませんが、一度、都市部の子どもたちの学校での様子も見てみたいと思います。