まな板

日頃お世話になっている方から、まな板に関する問い合わせのメールをいただきました。
 このブログを見てくださる方には笑われてしまうようなことですが、実は私、いつも偉そうなことを書いているくせに、こういう問い合わせにはまったく対応できないのです。常々、住宅のような大きな流れでなくても良いから、もっと手ごろなもので山と町がつながるものを、と考えているのに、こうした絶好の機会を活かすことができない...。無力感を覚えるできごとでした。
 ほどなく、相手の方からメールがあり、ネットで良さそうなところを見つけましたとのこと。ちなみにリクエストは

 銀杏または柳でサイズは概ね  26cm x 50cm t=3.3cm程度

とのこと。カラマツ以外の情報がない上に、料理にも手を出さない私には、なす術もありません。

まだまだ現役です

 

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6輪駆動の大型トラック、通称いすゞロッキーを紹介します。先日お世話になった山梨県明野の現場で、大先輩のきこり軍団が木材搬出のために乗り入れているところを撮影させてもらいました。みんなロッキーと呼んでいるだけで、正式名称がわかりません。ネットで検索してもよくわかりませんでした。

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 姿からも想像できるように、山土場からの積み出しには圧倒的な威力を発揮します。一度だけ空車の状態で運転したことがありますが、レトロですよ。曲がり終わってもウィンカーのレバーは自動的に戻るようになっていないので、運転者が自分の手で戻します。
 画像ではわかりませんが、タイヤチェーンでいっぱいになっているフロントバンパーには強力なウィンチが載っており、急傾斜でも立木があればワイヤーを使ってグイグイ登って行ってしまいます。使い勝手の良さから、林業地ではまだけっこうな数が生き残っているようです。ただし、当然ながらブッ壊れたときの部品に苦労するようで、この日もオイルポンプに不具合が見つかり、先輩たちは頭をつき合わせて作戦会議開始。そして驚くべきことにディーラーに部品が有り、慎重に隣村の工場まで修理に降ろそうということになりました。この車の構造を良くわかっている修理工が残っていることも、山間地の工場ならではのことかもしれません。

暖冬

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朝9時ごろ、軽トラに忘れ物をとりに行って、ふと運転席から前を見るとこんなものが見えました。「えっ、こんな季節にハエ??」。標高1400くらいの現場でのできごとです。もちろんハエは窓の外側。

 記憶するかぎりでは、今頃こんな時刻に現場でハエを見たことはありません。いつもどおりなら氷点下20℃の朝が続くような季節です。
 今年の冬、いちばん暖冬を感じたできごとでした。
 ついでに言えば、その時の私の足ごしらえは何と地下足袋!! これも当地では驚異的なことです。

冬山歩行・ラッセル訓練

標高2,599m、奥秩父連峰の名峰金峰山(きんぷさん。地元ではきんぽうさんと呼んでいます)で行われた南佐久地区遭対協救助隊の冬の訓練に参加しました。今回は私が暮す村からの入山なので、地元の班員が休んでしまっては絵になりません。日程を死守し行ってきました。 

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 あまり雪の無い地域なので、私も含め慣れていない隊員も居るため、隊長からはまずピッケルやアイゼンなど、基本的な装備に関する説明が行われました。

  

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 歩行訓練なので、とにかく行かれるところまで行って、時間を見て帰ってくるのだろうと思っていたら、なんと頂上まで行く気満々。強風でトレースが無くなっており、腰までの雪にズボズボとはまりながら頑張った頂上直下でのひとこまです。山梨と長野との県境に位置する山なので、山頂は、山梨県甲府市に位置します。背景左の岩峰は瑞牆山(みずがきやま)2,230m。

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 ザイルで編まれた担架。搬送するところも写したかったのですが、遭難者役だったので、それどころではありませんでした(笑)。下山後ふもとの山荘で反省会。隣接する町村の班員の皆さんや所轄署のおまわりさんたちと親交を深めました。日頃からチームワークを高めるための一杯会もとても大切な行事です。関係者の皆様、お疲れさまでした。

メリーポピンズ

新しくなった中学校で、村人への音楽堂のお披露目としてミュージカル映画のDVD上映会が行われました。昨晩の上映はメリーポピンズ、実に懐かしい物語です。自宅では味わえない音響と映像に、しばし夢心地の時間を過ごさせてもらいました。

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 村のカラマツで建てられたこの中学、今後も村人に利用してもらえるようにしたいとのことなので、あれこれ企画を考えてみたいと思います。

 しかし残念ですね。この村産材をせっせと山から下ろしてくれた森林組合には、未だに何の情報も伝えられていないようです。若い作業員などは、こういう機会に自分の仕事と地域社会とのつながりに触れることでモチベーションが上がることは確実なのですが...。
 ソフトウェア感覚が育ちにくい、中途半端な田舎の悲しい現実を感じています。

 

 

ロープ編み講習会

ロープ編みというと、通常は3本よりのロープの加工を想像しますが、今回はアーボリカルチャーで普通に使われている二重構造(ダブルブレイドと言います)のものと、中空構造(フォローブレイドと言います)の編み方も教えてもらいました。場所は長野県駒ヶ根市にある上伊那森林組合の伊南支所。遅刻してしまい慌てて教室に飛び込むと、会場はご覧の通り真剣な受講生のオーラにつつまれていました。

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 ズラリと並んだ材料とギア類。編み針は、画面下左から、一番長いやつがスプライシングワンドラージサイズ、アルミリングの右にある短いのがジャパニーズマーリンスパイク、それとマジックペンの間にあるのが、ポイントハドソン3ストランドフィッドです。

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 今回のマニュアル。左の大きいのはロープメーカーであるサムソン社がネット配信しているもの。右はバーバラ・メリー著、THE SPLICING HANDBOOK この本の購入費用は講習参加費にも含まれていましたが、私は事前にアマゾンで購入することができました。インターネットは便利ですね。日本でのアーボリカルチャー普及にはインターネットの力が欠かせません。

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 教材となったロープたち。上から12ストランドフォローブレイド、3ストランド、ダブルブレイド。出来が悪く、課題を完成させられなかったため、完成品をお見せできないのが残念です。いずれ自習で完成させたらお見せします(このページを見ている講習参加者の方、完成品の画像を送ってくださってもけっこうです)。

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 ダブルブレイドの片側にアイ加工(へびぐち加工)をしているところです。「編む」というよりも2重構造のものをお互いに差し込みあう、という感じの加工でしたが、この画像だけでは何が何だかわかりませんよね。実際にやってみた私も、未だに何が何だかわかりません。ですから、これからの自習が勝負です。

茗荷谷界隈

文京区大塚3丁目にある財団法人全林野会館、通称フォレストプラザ。昨日はその6階で行われた国民森林会議の拡大評議員会に参加しました。

 

 最寄り駅の茗荷谷から、旧教育大のあった教育の森を通り抜け(ここが実に気持ちの良い都市公園)、行ってきました。今回は3月14日に行われる総会のための打合せということで、様々な議案について検討が行われました。

 

 毎年、総会の日は午後から記念講演が行われるのですが、今年は長い間国有林に関わってこられた萩野敏雄先生の講演「ドイツ林学派外交官と、フランス林学派日本画家 -青木周蔵と高島得三-」に決まったそうです。なんだかとてもおもしろそう。それから充実してきた会のホームページについても新たなお知らせがありました。会誌「国民と森林」のバックナンバー2003年新春号からの目次が見られるようになりました。

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フォレストプラザ入り口に置かれている屋久杉。樹齢2500年と書かれていました。我々の一生から考えると、ほとんど永遠という意味です

レサシアン

救命訓練経験者にはお馴染みなのではないでしょうか。レサシアン、通称「アンちゃん」を紹介します。

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 先週、山岳救助隊の関係で受講した救急救命法の最中、不器用な救助者(=私)に、文句も言わずつき合ってくれました。画像はAED(自動体外式除細動機:致死性不整脈の一つ「心室細動」でポンプ機能を失った心臓を、電気ショックで正常なリズムに戻すための医療機器)訓練のときのアンちゃんです。

 日本の救急車到着までの平均時間は6分だそうです。この6分間に、どれだけの救命措置ができるかが受傷者の生死に深く関係します。救助隊ボランティアとしてだけではなく、商売がら、こうした現場に遭遇する可能性が高い者のひとりとして心肺蘇生法には気合が入りました。
 でも必死に練習したあとにふと気づいてしまったのです。要林産は一人ぼっち。自分で自分を救助するなんてことはないことを...。

 そして迎えた最終日の三角巾の実技テスト。幼稚園の頃から折り紙に対する恐怖心のある者にとって、実に苦しいひと時でした

原木安定供給システム研究会

お前はひとりの林業従事者であって、評論家ではないはず。では問うが「お前は少しでも山林所有者がやる気を出すような仕事をしているか?」 長野からの帰りのバスの中、ずっとそんな問いかけにもだえ苦しむ一日でした。

 

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 木を供給する側と利用する側をどう結びつけるか?ということには、いくつかの選択肢があり、その中でも、大量の木材を常に安定して供給できるようにするためには、山林所有者一軒あたりの所有面積が小さい、地形が一応でないなど、いくつかの乗り越えなければならない問題があります。

 育てる時代から使う時代へ、この国の林業は確実にシフトしてゆかなければならない段階なのですが、大きな船のように、すぐに方向を変えることが難しいようです。

 昨日、県が主催したこの行事では、大手住宅メーカーや外国産木材買い付け商社の方からホットな話を聞くことができ、私たち業界関係者ひとりひとりが取るべき道について考えることができました。総論として、地域の山をまとめようとする事業者には、立木の管理だけでなく木材の運用までを含めたコンサルタント能力が欠かせないのに、今はそれが圧倒的に不足していることが再確認されました。

 「日本の木材利用は旬での収穫ではなく所有者の都合に左右されている。これを採算面で最も有効な伐採適期に利用できるよう、地域単位で山林所有者に材価を保障できるような仕組みは考えられないか」 「材を出すことでお金になるような補助制度が考えられてはいるが、結果的に山林所有者のところに木材代金が戻らない状態では何にもならない」
 極めて具体的な問題提起、と言うか告発は、多くの参加者の明日からの原動力になったと信じています。いや、信じたい。

 「ところでお前はどうなんだ?」と問われると、こんなにえらそうなブログ記事を書きながら、何ら貢献できそうにないのが正直なところです。世の中、辛いことが多すぎる...。