食料としてのシカ

シカによる農林業被害が騒がれるようになり、どのくらい経ったでしょうか。長野県ではあちこちでシカの個体数管理に必死ですが、増加が止まらないというのが多くの人の感想です。

 
 シカの個体数管理について考えるたびに、失われた食文化のことを思います。山で採れるものをいただき感謝する。そういう生活をヒトが取り戻さなければ、シカは何か他の理由によって、種として気の毒な結末を迎えることになるのではないだろうか?いつもそんな心配をしています。

 そんな中で、夕方近所の方から明るい話を聞きました。「今日、山にシカ用の(有害鳥獣駆除の)罠を仕掛けてきた。何頭採れても大丈夫だ」というのです。

 実はこれからの季節、川上村では中国から数百人の農業研修生が活躍します。そしてその多くが、シカを手際よく解体してありがたく食べる文化を持っているのです。これもグローバリズムのおかげではありますが、私たちに欠けたものをもつ人たちによって川上のレタス生産が守られ、林内植生が維持される。予想しなかった仕組みの始まりを実感しました。

始発と最終

始発電車(正確には列車)で出かけて、最終で帰ってくる。一昨日は、サラリーマン時代を思い出すような行動パターンでした。自然観察指導員長野県連絡会と東信自然史研究会という、二つの任意団体の総会をハシゴして、生ビールを飲んで帰ってくるために、自動車を使わない日程をたてたのです。

 
 6:30、家を出て信濃川上駅まで歩き、6:56のJR小海線に乗車、佐久市内で高速バスに乗り換えて、善光寺のご開帳で賑やかな長野市に向かいました。長野駅前に到着したのは9:40頃。
 駅前の平安堂(書店)で1時間半かけて本を物色。ネット万能の時代ですが、顔を見ないとわからない本もたくさんあります。早めの食事を済ませ、指導員連絡会の総会会場へ。毎年、この時だけお会いできる人の元気な顔を確認して、再びバスに乗り佐久へ。
 18:00過ぎ、昨年設立したばかりの東信自然史研究会の総会へ。こじんまりと中華料理をいただきながら話したあと、最寄り駅から19時過ぎの小海線へ(何と、これが終電)。川上駅では20:30の終バスが待っていてくれました。

 

 志を同じくする人たちとの総会では、いつも元気をもらって帰ってくるのですが、なぜか今回は、このところ積極性がなえてしまっている己を嫌というほど感じて帰ってきました。どうしちゃったんだろう、もっと頑張らなくちゃなぁ。

いつまでたっても...

一時間ほどですが、今朝は久しぶりに大勢が働く現場に合流させてもらいました。しかも材木出しの現場です。

 いいですね、仲間のいる仕事は。本当に楽しい。倒れている木が、たちまち丸太になっていきます。

 実はこの木は、昨年末に私が倒したものです。自力では材木にできないので、村で活躍する先輩の事業体にお願いして出してもらうことになりました。そしてそこには、ただチェンソーを持たされて山に放り込まれた私を、靴の履き方から重機の操作まで、すべて教育してくれた師匠が働いています。昨年、長く勤めた森林組合を病気でリタイアした師匠ですが、奇跡の復活をとげて現場に戻ってきました。

 「おはようございます」と言うと、「これは誰が倒しただ?」と師匠の目がギラリ。私は「はい」と手をあげて、すかさず「出しにくくてすみません」と申し上げました。どんな気合が入るのかと半ば楽しみにしていた私に、「フッフッフッ、上手に倒したじゃねーか」との想像しなかった評価をいただき、天にものぼる気持ちでいると、たちまち「お~い 杉山!」と、また別の先輩から声がかかりました。

 「(材木の)いちばん良いところを、こんなにして。師匠はこんなこと教えなかったらい」。
 そこには、私が伐倒を失敗したキハダが引き出されていました。師匠も一言、「俺はこんなことは教えなかったな」

 たしかにその通りなのです。こういう状態にしないためのノウハウはたくさん教えてもらったのに...。今のようなわずかな経験で、文句の無い仕事ができるなどとは思っていませんが、それにしても進歩がなさ過ぎる。いつまでたってもザマ(=ぶざま)な山師の、嬉しい朝の一仕事でした。

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いちばん美味しいところが裂けてダメになってしまったキハダを玉切る師匠。教えを守らぬ(あくまで自称)弟子に、何を思いながらチェンソーをあてているのだろうか。

再びアカシア

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今回は畑の作物の障害となるニセアカシアの伐採を依頼されました。技術的には難しい木ではないのですが、作業する場所の足場が悪く、木もけっこう太くなっているため油断はできません。後で木を利用するため、崖の下へ落とさないように左の奥に見える発注者のトラクタで引っ張りながらの作業です。

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施業後はこのようになりました。下の画像も同じく施業前と施業後の様子です。

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倒した木は後日、ストーブの薪になるそうです。ニセアカシアの薪は火持ちが良く、高級品の部類に入ります。

間伐手遅れの山の取り扱い

年に4回行われる国民森林会議の公開講座。今回は「資源劣化の進む人工林の取り扱い」と題した(株)森林再生システムの富村周平さんのお話をうかがいました。

 

 会場となった全林野会館がある丸の内線茗荷谷駅を降りると、旧教育大の公園はすでに新緑の森。標高1100mの我が家では考えられないようなポカポカ陽気でした。

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 お話としては、間伐が必要なことはわかるのだが、手遅れにより成長が見込まれないような山で間伐が行われており、そういう場所で、時間を置いての検証をするなど、方法を変えてゆく必要があるのではないか。また、手を入れられる山は(アクセスの良い)限られた範囲に集中する傾向があるのではないか。そしてほとんどの施業のための調査では、同じ林分でも木の成長量に違いが生じる林内の条件の違いが考慮されておらず、林況の正しい把握ができていない、というようなことが印象に残りました。
 どれも日頃現場で感じていながら、漠然とした感覚のままで見過ごしていることであり、「このままではいけない」という思いを強くした講座でした。

山林譲渡のお手伝い

山に関わる仕事をしている人の中には、山のオーナーになってみたいと考える人も少なくないのではないでしょうか。私もそんな夢を持つひとりなのですが、先日そのチャンスがやってきました。

 学生時代の友人から電話で、家族が所有する山林を人に譲りたいので相談にのってほしいとのこと。聞けば誰にでもというのではなく、山を大切にし、できれば生き物たちの暮らし良い森に誘導してもらいたいということだったので、自分が名乗り出るしかないとの思いが背中を強く押したのですが、残念なことにその山は我が家から数百キロ離れた地域にあることがわかりました。それだけ離れた山を、見回ったり手入れすることは今の自分には勤まりません。何か最良の道を考えて連絡するということで電話を切りました。

 考えてみると、日頃仕事でお世話になっている方が、その山から遠くないところに居ることを思い出しました。早速その方に電話をして相談したところ、山を所有するのははじめてだけれど、境界確認や登記などの面倒な手続きも含めて引き受けてもらえることになり、先日都内で双方の面会に立ち会ってきました。

 今回は言ってみればお見合いの紹介者のような立場ですが、私自信がまだ山を持ったことが無い状態なので、今後のために、これから必要となる手続きなどについていっしょに勉強をさせてもらおうと思っています。友人が、私がきこりであることを覚えていてくれたこと。そして、この話にふさわしい方と仕事をさせていただいたこと。この二つの偶然が今回の良縁を呼び寄せました。

アカシア退治3

 

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先日お伝えした諏訪様のアカシア退治は、ご覧のように見通しが良くなりました。ただし、このままでは切り株から萌芽するため、2~3年で何事もなかったかのようにもとの状態になります。

 そこで、この現場では使いませんでしたが、別の現場で試験的に下の除草剤を切り株に使ってみました。20倍に希釈して使用するように書いてあります。以下は説明書きから、

イネ科と広葉雑草との間に選択性があり、広葉雑草に高い効果を示します
成分 トリクロピル 44.0%
トリエチルアンモニウム=3,5,6-トリクロロ-2-ピリジルオキシアセタート
水等 56.0%

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雷雪

こちらも春の雪の話題です。ご近所さんのページとかぶってしまいますが、このブログ長屋は娑婆とはひと味違う話題が多いというくくりで便乗です。

 昨日。ようやく足袋と前掛けで作業できる季節だなと喜んでいたところ、午後から風向きが変わりはじめ、帰宅するころには雷雨ならぬ雷雪。ところが家に近づくにしたがって雪は消え路面はドライに。今年最後の雪になるかもしれないと思い、あわてて役場の駐車場に車を入れて、ボディについたみぞれを撮影。 

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 今朝起きてみると、雨の朝のつもりだったのに我が家の周りも雪景色になっていました。スタッドレスタイヤのままドライで走っていると減りが早いので交換したいのですが、まだ油断はできません。

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