見せしめ

今年も、草と格闘するあつ~い3ヶ月間がはじまりました。村を囲むシカ避けの柵に沿ってひたすら歩く、ダイエットの季節です。村での暮らしには、このようにリズムが、つまり季節感があって良いのですが、どうも夏がくるたびに老け込んで行くような気がします。

 

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 ところで、生産者にとり、汗水たらしてようやく出荷にこぎつけたレタスを、バクバクと食い荒らすシカは恨んでも恨みきれない存在です。効果の程は不明ですが、こういう見せしめをしたくなる気持ちは、村人なら誰しも理解できます。

 

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 畑地の全周を電気柵で囲んでいるのですが、それでもシカが侵入するため、畑一枚一枚もネットで防衛しなければなりません。

葉っぱでビンゴ

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町田市の小学5年生の移動教室では、はじめての試みとなる林業体験。イワナつかみ取りの後だったので、だいぶ疲れ気味の子もいたけれど、今日、森の中へ入ったことが少しでも良い思い出となって心のどこかに残ってくれるといいな、と思いました。

 実施を前に、ふと自分の小学生時代の思い出に問い合わせしてみると、実に断片的なことに気づきました。
 訪問先や仕掛けてくれた大人たちは真剣に準備してくれていたのだろうけれど、存外子供の印象に残ることはそんな思惑からは遠く離れたところにあるのかもしれません。

 

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 今回は40名が二クラス。合計80名なので、いっぺんに作業をするわけにゆかず、40名ずつの交代で除伐体験を行い、待機する40名には葉っぱのビンゴゲームをやってもらうことにしました。
 ところが、これがまた思惑からはずれて、景品があるわけでもないのに、みんなのビンゴへの集中力がすごかった。子供たちの観察力には脱帽です。そのうえ「森には必ず持ち主が居るから、班で話合って採取は最低限に」という条件も、みごとにクリアしてくれました。
 今日も新しい発見のあった一日でした。

キャンプファイヤー

皆さんはキャンプファイヤーの思い出をどのくらいお持ちでしょうか。遠い小学生時代の林間学校での思いで。夏休みの子供会か何かでの、おぼろげな記憶。独立起業する以前の自分にとっては、だいたいその程度のものでした。ところが、これまで何度かお伝えしてきたように、都会からのお客さんの受け入れを手伝うようになってからというもの、要林産にとっては重要なテーマのひとつになりつつあります。まさかこんなことになるとは、まったく予想していなかった展開です。

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 昨晩も、三鷹市からみえたハイキングツアーの皆さんとキャンプファイヤーを楽しんだのですが「奥が深い」とでも言いましょうか、ちょっとはまりそうな雰囲気なのです。

 聞けば、このツアーをきっかけに交流が始まる方も少なくないとか。村の自然を楽しんでもらい、いい汗をかいて健康にも役立ち、人と人との出会いの場にもなる。そしてこのところ感心しているのは、事業の中で、受け入れ側の職員である地元の若い人たちの動きがとても良いのです。
 ここにもうひとつ、私が日頃から考えている森を軸にした地域間交流を加えることができたら...。そんな欲求がムクムクと起き上がるのを感じるこの頃です。

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 「自分はいつまで元気に山歩きを続けられるだろうか...」。

 年齢のせいもあるのかもしれませんが、歩くことが好きな人たちといると、以前は無頓着だった健康のことも考えることが多くなりました。遠くから出かけてくださった皆さんに、いろいろな意味で感謝する二日間でした。

事業実施主体に

昨日、毎年県の地方事務所で行われる造林補助事業の説明会に行ってきました。

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 今回のポイントは、昨年秋施行の「間伐等の実施の促進に関する特別措置法」により、要林産のようなミクロ業者でも事業実施主体になることができるようになったという点です。配布資料によれば「事業実施主体とは、森林所有者から間伐等の森林施業等を委託され実施した場合に、補助金の申請者となり、補助金を受領する者です」となっています。今年はぜひこの制度に乗っかって、森林整備を進めてゆきたいと思います。

 他にも、補助申請に際して必要になる測量器具の貸し出しについてや、測量の実技と、データの図化の説明会も行われました。地方事務所に行けば、図化のためのパソコンまで使わせてもらえるようになりました。やる気のある人たちなら仕事を進められる環境がどんどん整いつつあります。もう言い訳はできません。

四国!

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13、14日、高知県香美市と徳島県上勝町で行われた国民森林会議のお出かけ公開講座を受講してきました。

 

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 高知駅で夜行バスを降りると、南国ムードがただようフェニックス(かな?)の並木道。そして路面電車。近ごろ遠出をしていないきこりにとっては、何を見ても新鮮なものばかり。

 

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 シンポジウムの共同主催者である「高知県緑の環境会議」の事務局さんと森林組合職員さんの運転で、視察地の谷相(たにあい)団地へ。有名マンガ家の出身地だそうで、森組事務所のある商店街には、ドキンちゃんやバイキンマンのオブジェが並んでいます。
 この町並みから山に上り、集約化で搬出間伐が行われたスギ林を見学しました。「所有者の為の集約化」であることを物語るように、山では所有者の皆さんも加わり、一緒に昼食をごちそうになりました。
 全国の林業関係者には笑われてしまうでしょうが、ここであらためて、まだ自分がスギ林を愛していないことを感じました。カラマツ林を見慣れている目には、どうもこの殺風景なところが好きなれない...。それから、切り土を見て、土の安定している様子が羨ましかった。個人的には施業後よりも施業中の現場で人に会いたいのですが、それは今回の趣旨から離れることなので、我慢。

 

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 午後からのシンポジウム「どう育む森と水と循環系」には、会場となった高知工科大学の皆さんがたくさん参加し、その新鮮な意見や質問に、同じく客席で聞いている身でありながらも、身の引き締まる思いがしました。
 「自分には、この人たちに説明できる施業ができているのだろうか?」シンポが終了し、会場を離れてからもずっと自問していました。

東信自然史講座

私が所属する東信自然史研究会の記念すべき行事なのですが、残念な
ことに四国行きとぶつかって参加できません。せめて、この場をお借りして
PRさせていただきます。 ・・・興味あるんだけどな~

 

 

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 今年度長野県の助成を受けまして「東信自然史講座」という
勉強会を開催することになりました。
 この講座は、自然環境について、生き物について、もうちょっと
詳しく知りたいという会員の想いから、毎回、生き物の研究者や
専門家をお呼びして、自然環境や生き物について分かりやすく
解説してもらおうという企画です。

日  時: 6月14日(日)13:30~16:15(受付開始13:15)

会  場: 小諸市民会館(小諸市役所横)大会議室

その他:参加費無料、予約不要

主  催:東信自然史研究会

 6月のテーマは、「里地里山の貴重な生き物」ということで、以下の
講座があります。

①「シナイモツゴの現状・生態と里山環境がもたらす多様性」(信州大学 小西繭)

②「佐久のヤマコウモリ」(東信自然史研究会 辻明子)

 7月以降も楽しくてためになる講座をご用意しております。

 

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明日から出張

出張・・・ 勤め人時代は甘美な響きを感じたこともある言葉ですが、近ごろは歳のせいか出不精になり、要林産の出張は年に2~3回のペースになっています。

 明日はその年2、3回のうちのひとつ、花の東京へ出かけます。でも東京は中継地にすぎず、最終目的地は高知と徳島。このブログでも何度かお伝えした国民森林会議の行事で、お出かけ公開講座に参加するのが目的です。
 13日の高知では香美(かみ)市というところにおじゃまし、谷相団地というところを見学したあと、シンポジウム「どう育む、森と水と循環系」に参加します。14日は上勝(かみかつ)町で、葉っぱビジネス、森林整備、マイオマス生産を見学し、午後からのシンポジウム「森林の保全と活用をどう進めるか―上勝から学び、ともに考える―」に参加します。

 夜行の高速バスが新宿から出発するので、眠り薬を兼ねて、日頃からお世話になっている皆さんとアルコール補給を行う予定です。戻ったら、リポートしますね。

伐倒

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内輪の話題ですみません。チェンソーのガイドバーが届かない太さの木で、何か良い方法があれば教えてください。画像の機械は346で、バーの長さはたしか14インチです。所有している機械で一番長いのは、付け替えで18インチですが、面倒なので使わないという前提です(と言うか、基本的にバー二本分よりも太い木という設定です)。

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 画像左上に写っているのが、バーが届かない分、幹を切り欠いたところです。現状このやり方です。私の場合、もともと受けが60度から70度と大きいので、切り欠いた長さ分は余裕で切取ってしまいますから、材の元が短くなり材価に影響するということはありません。
 また謝ってしまいますが、レベルの低い話ですみません。

励ましの言葉

 

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今日も都会からのお客様を案内しながら、癒されてしまいました。今回のお客様は町田市からのトレッキングツアーの皆さんです。

 昨年10月にも書きましたが、きっと自分よりも何十倍も多くの場所を歩き、いろいろと見てきているはずの人たちから、ツアー終了時「とても楽しかった」と声をかけられると、言葉で表現できない快感につつまれてしまいます。でも、美味しいものにはそれほど料理人の腕前は必要ないのですよね。たいていの人は素材の味にこそ値打ちを感じるのです。

 バスの窓越しに手を振ってくれる皆さんを見送りながらやっと気づくのです。「あぁ、あれは自分に対しての励ましの言葉なんだ」と。だから単純な私は素直にお願いします。「来年も励ましに来てください」と。

共同体

先日このページ(田んぼで)にコメントしてくださったPhytoncide1059さんが、5月30日の朝日新聞の別冊「be」を送ってくださいました。読んだあと、何かが変わったように思います。Phytoncide1059さんありがとうございます。

 その新聞記事には、平均年齢81歳、20軒のうち11世帯が独り暮らしという集落に暮らす48歳の民俗学研究者の日常や思いが紹介されています。
 読後に感じた自分の変化は何だろうと考えますが、わかりません。それが見えるまで、もう少し時間がかかりそうな気がします。ただ、この記事のテーマのひとつである共同体という言葉と、自分の距離がずい分近まっていることに気づきました。
 記事に登場するジェフリーさんのような一体感にはまだまだ至りませんが、生活を保つことに必死で、共同体の責任は果せていない自分でも、己の暮らしへの無知を知らされている、欠落している部分の輪郭が、少しずつはっきりとしている。そのことを感じました。

 ジェフリーさんは、日本を知れば知るほど好きになり「知られていない日本を世界に発信したい」と思うようになった。と言っていますが、「世界に」どころか日本に対しても発信しなければならないことがたくさんある、そしてそれは彼のように英語を操れない自分にもできることかもしれない。傲慢かな??

 ジェフリーさんの周囲の人たちのコメントにあった、南九州市の福祉課長の「まず自分たちがすべきことから考え始める。行政に頼ろうとしない」という言葉も、強く印象に残りました。この記事そのもののアーカイブは見つけられませんでしたが、同じ人を扱ったURLを見つけましたのでお裾分けいたします。 

MSN産経ニュース
「宮本常一の代表作を英訳 鹿児島の農村に住む米国人」

若き森林所有者と

代替わりした森林所有者から、間伐作業を体験したいという要望がありました。もとより、森林経営だけで生活できる林家は稀な上に、林を持つ専業農家の方でも、手入れをする若い人が少ない中、村から遠く離れてサラリーマン生活をしているこの所有者の方から出た要望は、林業に関わっている者にとって、たいへん嬉しく幸せなことです。この方の林を施業することになったので、昨日は一日降ったり止んだりの中、参加者ひとりの間伐体験会を行いました。

 林に入った瞬間、まずは己の軽率さを反省しました。
 日本全国の人工林が伐期齢に達している現在、これは避けて通ることのできない問題なのですが、この林も、はじめて作業をする人にとっては、あまりにも危険でテクニカルな林だったのです。ざっと見たところ20mを越えるアカマツが1000本を越える密度で立っています。平らな場所だからと安易に考えていたのですが、どこからどのように始めれば導入部になるのか、考えてしまいました。

 結果は言うまでもなくかかり木の展覧会で、禁じ手の連発となり、はじめての方にいちばん大切な「安全」を強調するには程遠い一日となりましたが、それでもびしょ濡れになりながら「おもしろい」と言っていただけたので、ホッと胸をなでおろしました。

 木が利用されていた頃の林家は、下刈りや蔓切り、除伐など、さほど大規模ではない作業を少しずつ行いながら、次第に大きくなる木へと作業対象をステップアップすることができたのではないかと想像します。そういう意味では、どんなに所有者に情熱があっても、一朝一夕には自前作業ができなくなっている理由と現実を、改めて実感することができた貴重な一日でした。