牛や馬の居る高校

娘が高校の体験入学に行くというので、同行しました。大勢のお客様を待たせており、心苦しいのですが、どうしてもこの機会に見学をしておきたかったので、一日現場を止めて行ってきました。

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 長野県立北佐久農業高校。県内では唯一、牛や馬が居る高校ということで、希望する見学者には乗馬体験も行われました。当然、馬術部があるのもこの高校だけなのだそうです。実に貴重な存在じゃありませんか。

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 携帯で写したので良くわかりませんが、遠くに写っている四本足は犬ではなく牛です。
 人なつこい牛や豚に触れていると、脳内に鎮静物質が出てくるのを感じます。でも、先生のお話に出てきた「経済動物」という言葉に、ハッと現実世界に引き戻されました。
 ”経済動物”って凄い言葉ですね。新鮮な響きでした。彼らとの付き合いの中には、人工林の経営と同じくシビアな経済性がついてまわるのです。

 こういう学校が通学圏にある地域に暮らしていることに感謝しながら、今日は娘よりも勉強させてもらったかもしれない。

魔神バンダー

このタイトルを見て納得する人は50近いオッサン、オバサンかな。手袋の質感がバンダーの腕に似てませんかね?
 本題です。もしも読んでくれているあなたが、林業に就いて間もない人でしたら、草刈の際には必ずこの種の手袋をつけることをお薦めします。

 

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 手袋の商品名は「しんげんくん」、パッケージに振動軽減、作業快適とあるとおり、防振手袋です。以前、そまびとクラブの仲間がこれをつけて来たとき、私はその奇怪さにただ笑っていましたが、今は笑ったことを後悔しています。人だけでなく、モノも見た目で判断しちゃーダメなんですね。この手袋のおかげで、この夏は快適です。

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 つけると、こんな感じです。昨年も他社製品を紹介しつつ述べましたが、山師の振動傷害は、チェーンソーよりも草刈機の方がはるかにたちが悪いので、毎年、刈り払い機を多用するこの時期になると、手がこわばったり、夜寝ていて痛くなったりします。ところが今年は今のところ症状ゼロ。

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 ホームセンターで購入、980円。ぶっ続けで3週間くらいはもつでしょうか。

緑の雇用担い手対策事業

ここ何年か、全国で行われているこの事業によって、たくさんの人たちが山仕事の現場で働きはじめています。そしてなんと、今日はこの事業の研修で学んでいることが、日頃の現場作業(この作業自体も研修という位置づけかもしれません)で守られているかどうかの検査に行ってきました。

 ...人様の検査をする前に、自分がケガをしないよう心がけなければいけないのですが、地域の業界関係者の現場を見て歩くことができるということで、あつかましくも引き受けてしまいました。

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 今日は長和町(旧和田村)というところの国有林で搬出間伐を行っている、中島林業さんの山でした。右から技術高度化研修生の花田さん、中島林業の若き後継者中島治幸さん、研修一年目の小宮山さんです。忙しいところをお邪魔したにもかかわらず、ブログのための撮影を快諾してくれました。

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 衝撃的だったのは、ズボンの上につけているチャップスという保護具。間違ってチェーンソーの刃があたっても、中から飛び出す繊維がチェーンやスプロケットにからまり、瞬時にチェーンソーが停止してケガをしない仕組みになっています。
 私などは、暑苦しくてつける気にならないのに、二人ともバッチリ足に馴染んでしまっていました。この安全への意識は見習わなければなりません。

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 それ以上に、毎日装着していると、ご覧のようにすぐにボロボロになってしまうということに「何とかならないかな」と思ってしまいました。半年経たないうちに、磨耗してこのようになるそうです。知らないうちにチェーンソーの熱で変質させてしまったこともあるとか。
 一着1万円くらいはするので、もう少し長持ちしてくれないと困ります。せめてメンテナンスグッズがあれば助かるのですが、無理なのかな。

きこりの座談会

東京都赤坂にある(社)全国林業改良普及協会で行われた座談会の様子です。

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 左は東京チェーンソーズ(東京都檜原村)の代表カヌーさん、右は出来杉計画(奈良県吉野)のでき杉さん。全林協さんの某企画でお話させていただきました。
 話題は作業のこと、機械のこと、稼ぎのこと、etc,etc 半日みっちりと話しっぱなしで、その後の夜の部も含め、自分の勉強不足と意識の低さがよ~く自覚できる一日になりました。まだまだネットワークが希薄なこの世界にあって、同じ仕事をしている、情報発信型の人たちと直接お会いできたことは、貴重な体験でした。

 勉強面では、とにかく道具に関する無知が痛かった。
 14年も山に居て、ただそこにあるものを使っているというのは恥ずかしいことです。早速、小さな鋸を買いに行こうと思っています。他にもソーチェーンの規格やら目立てのことやら、まったく「井の中の蛙」から変わっていない自分にあきれました。
 そして意識の点。お二人とも安全やケガに対しては、常に注意をはらっている様子がたいへんよくわかりました。現場での集中力を、もっと高めなければなりません。
 他にも、ためになることがいっぱいあったのですが、ここにはとても書ききれません。3人がどんな話しをしたのか、いずれその道のプロがまとめた形で発信されると思いますので、ご期待ください。

 素晴らしい機会を設けてくださった全林協の皆さんにも、お礼申しあげます。夜遅くまで、ありがとうございます。

遊歩道のお片づけ

毎年小学生と登る滝までの遊歩道。先日のキャンプの際「雪折れの木が邪魔だな~、そろそろボランティアで行かないとだめかな」と思っていたら、お声がかかりました。

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 空荷なら40分の道のりですが、たっぷり半日かかって何本かの木を片付け、すっきりしました。画像は最終目的地である唐沢の滝の滝つぼ前に落っこちていたダケカンバ。

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 平日なのでひと気がなく、実に気持ちが良く、ついメディテーションしてしまいました。いつも子供たちいっしょなので遠慮していましたが「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 ...」

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鬼太郎のとーちゃんではありません。ギンリョウソウといいます

 鳥たちの声も独り占めだったし、弁当持ちでゆっくりしたかったのですが、草たちが待っていてくれません。午後はまた茹蛸のようになりながら草とたわむれました。

能率アップの強力な援軍

チェンソーは刃物ですので、一定時間使用するとその切れ味は落ちてきます。また、土や石、金属などに刃が触ってしまうと、その刃は砥がなければ使い物になりません。砥ぐ作業には棒ヤスリを使うのですが、刃(ソーチェーンと言います)の砥ぎたい部分そのものの固定ができなかったため、理想の目立ては「理論上のもの」と言ってもよいくらい高度なものでした。

 長野県千曲市にお住まいの北川原弘さんは、長いあいだ誰にでも簡単に理想の目立てができる工具の開発を続けてこられ、画像のような目立て器を完成させました。従来品にはできなかったリンク部分の固定が、この装置で確実かつスピーディーに行うことができるということで、取材に同行する形で見せてもらいました(何の取材かは、これからのお楽しみです)。

 

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 画像右の黒いハンドルを回すことで、刃が簡単に固定されてビクともしなくなります。この状態で、下の画像のように棒ヤスリを治具にまかせて動かすだけで、規格どおりの刃ができあがるという仕組みです。刃を上から固定しているので、上歯にも確実にヤスリがあたります。

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 丸太で切れ味を試したところ、この目立て器の威力を実感しました。丁度何年か前に造材の現場でとっさに師匠のチェエンソーを使わせてもらったとき、「そうか、チェンソーとはこんなに楽に木を伐ることができるのか」と驚かされたことを思い出しました。 ...と言うか、自分のチェンソーがいかに伐れていないかということを、つきつけられた感覚です。
 この巨大な治具を、山に持ち上げることはできませんが、作業場に置いて日頃のメンテに使ったり、何よりもチェンソーを使う機会が少なく、目立てになじむ事ができない多くのチェンソーユーザーには必需品と言ってよいものだと思いました。きっと、丸太を切ることが楽しくなりますよ。

 

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開発にふりむけた情熱の証。膨大な試作パーツの一部です

天井裏の住人

傷病鳥獣救護ボランティア制度というものがあります。その名のとおり、保護された野生鳥獣をできるだけ自然復帰させるようサポートすることが役割で、野生生物の多い地域では重要な役割をもっていると、少なくとも私は信じてやっています。

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ウサギコウモリ幼獣、3頭のうち一番大きく育っている個体です

 

 一昨日、「コウモリが居る」との電話をもらい、現場作業の後に急行すると、死んだ母コウモリの乳房に必死に食いついている元気な赤ん坊コウモリ2頭と、もう1頭の死体コウモリ成獣の子なのか、へそのおの残る1頭の赤ん坊。全部で3頭。親がいなくては仕方なく、つれて帰ることにしました。
 赤ん坊コウモリを育てた経験のある方ならわかると思いますが(...そんなに一般的ではない)、1頭でも手間がかかるのに、3頭となると授乳の手間が大変です。

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 村の基幹産業である農業にとって、昆虫を主食にするコウモリは重要な存在です。それを根拠不明の気持ち悪さだけで殺してしまう人が、今後ひとりでも減るように願い、かつ、いつまで生きられるかわからないので、丁度雨で現場が休みになったのを利用して、保育園で即席のコウモリ講座を行いました。
 理性をもって野生生物と触れ合える大人が育つことを願って。

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父と子のアウトドア講座

昨年7月にもお伝えした「父と子のアウトドア講座~ふれあい自然体験in川上村~」。早いものでもう4年目を迎えました。今年も三鷹市社会教育会館の呼びかけで、東京の三鷹市在住の父子8組が参加しました。

 

 プログラムは昨年とほぼ同じで、木の図鑑作りと森のお話、図鑑を使ってのビンゴ、そして夜はキャンプファイヤーという進行でした。今年の参加者は1~3年生が多かったため、未整備の森の中を歩くのは大変かな?と思ったのですが、子供はすごいですね、木探しがはじまるとたちまち野生化して、予想もしなかった奥の方へとズンズン入ってしまいます。むしろ高学年の子よりも積極的でした。いつもながら、この森でのことが何らかの形で子供たちの心の中に残ってほしいな、と願う一日でした。

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 もしもまた機会がいただけるなら、夜のキャンプファイヤーも含めて、次は日頃見られないお父さんのたのもしい姿が前面に出るようなプログラムを考えてみたいと思っています。