東信自然史講座

いよいよ最終回です。近くにお住まいの方は、ぜひ足をはこんでください。

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 当会では、今年度「東信自然史講座」という勉強会を開催することになりました。

 この講座は、自然環境について、生き物について、もうちょっと詳しく知りたいという会員の想いから、毎回、生き物の研究者や専門家をお呼びして、自然環境や生き物について分かりやすく解説してもらおうという企画です。

 6月から毎月行っていた講座もこの10月で最終回となります。今回は普段あまり見る事のできない高山の動植物二題についてご講演頂きます。

日時:10月11日(日)13:30~16:15(受付開始13:15)
会場:小諸市小諸市民会館(小諸市役所横)3F 大会議室
http://www.city.komoro.nagano.jp/www/contents/1073979509590/index.html
その他:参加費無料、予約不要、託児スペースあり
主催:東信自然史研究会
http://blog.goo.ne.jp/asama-eco/

10月のテーマは、「高山・亜高山の動植物」ということで、以下の講座があります。
①「火打山・焼山に生息する日本最北限のライチョウ個体群の現状について」
 (国際自然環境アウトドア専門学校 長野博之)
②「絶滅危惧種コゴメヒョウタンボクの生育環境と保全」(農学博士 指村奈穂子)

自然史講座のパンフレット及びチラシは以下のHPでご覧頂けます。
http://homepage3.nifty.com/asama-shizen/home.htm

お寺で自然観察

県立臼田高校の「臼高自然塾」本番。長野県佐久市の前山にある曹洞宗の古刹貞祥寺(ていしょうじ)で、野鳥観察のお手伝いをしてきました。
 「お手伝い」とは言っても、日頃鳥を見たことのない高校生に、いきなり「野鳥観察の案内をしてください」と言うのも無理があるので、毎年かなりでしゃばることになります。
 先日報告したように、この地域では平成24年に県立高校の職業科の統合が予定されており、この塾を主催する環境緑地科も、来年からグリーンライフ科になるのだそうです。そのグリーンライフ科に興味を持つふたりの中学三年生が、今年の塾生として参加してくれていたのは嬉しかったなぁ。

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県宝三重塔

 人造湖で水辺の鳥。お寺の森の鳥、そのあと空の開けた広場に出て、タカの仲間が空に舞う様子を観察しました。

岩とハシゴ

まさかこんな勉強ができるとは思っていませんでしたが、山を歩き慣れているということで声をかけていただきました。登山道へのハシゴの設置作業。何から何まではじめての、たいへん貴重な一日でした。

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 今回活躍した道具の一部です。このほかにも材料がドッサリ。

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 これが今日の主役、ヒルティ社のアンカーボルト。長いやつと短めの2種類がありました。

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 そして、このドリル。これで岩場にボルト設置用の穴を掘ります。

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 現場は、フリークライミング界では有名な、川上村の廻り目平キャンプ場から、カモシカ登山道を約1時間登ったところです。胸を痛めつつ、ガガガガッ!とボルト用の穴をあけます。「たしか、この胸の痛みはどこかで感じたような...」
おっ、伐倒の時のものに似ています。

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 アンカーによって固定されたハシゴの全景。持って帰りたいような立派なハシゴです。

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 固定部分のアップ。ハシゴの他にも固定ロープの支点を新設しました。

 今回は幸運にも、岩登りの際に命をあずける支点設置のプロの指導を受けながら作業することができました。このテクニックは、コンクリート構造物の現場でも応用できるものだそうです。
 政権が代わり、世は本格的なソフト優先の時代に突入するかもしれません。こうなってくると山奥でも既設のインフラを点検しながら利用するケースが増えてゆくことでしょう。要林産の本業が、砂防堰堤にぶら下がる仕事になるのも、時間の問題かもしれません。←凄まじい妄想

連休

夕方、村の食料品店(などと呼ぶと叱られます。スーパーマーケットです)で知りました、世は連休であるということを...。とまでは言いませんが、自由気ままな文字通りのひとり親方ですので、休みを取るのも勝手なら働くのも勝手ということで、けっきょく20日からずっと草を刈っていました。

 「山村起業」という観点で見ると、世間の連休は集客のピークであることが少なくないかもしれません。
 たとえば午前中は都会の子供たちの林業体験で、午後は遅れ気味の山仕事。未だ「出」と「OFF」の切り替えができないでいる悪例ではありますが、存外、田舎にはこういうパタンの人が少なくないかもしれません。

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本題とは全然関係ありません。生きることに必死なアカトンボたちに見とれるあまり、アカネ属であることしかわからない画像です。

冬支度

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村の電器屋さんに「インターネットの日記に使うので一枚撮らせてください(二枚ですが)」とお願いして撮影しました。
 たしか一週間くらい前に、このレイアウトになったと記憶しています。それを見た家内が、すかさず「ブログに使えるぞ!」とそそのかしてくれました。

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イメージ

14年前、この村に暮らしはじめた頃、毎日が新しい景色との出会いで、その自然の豊かさに驚いたものです。一方で、観光は村の主産業ではなく、人々は日常のものとして、ごくあたりまえにそれらの自然を空気のように捉えていました。そして今もそれは変わりません。

 森林組合の現場で働きながら、「村の自然をもっと多くの人たちに伝えたい。そういうソフト事業で食えるようになったら、楽しいだろうな」とよく考えていました。

 いつもイメージしていることは、いつか実現すると言いますが、ふと気がつくと来月の予定表は11日間も山の案内や観察会で埋まっています。人間というのは贅沢なもので、そうなってくると今度は現場の工程がままならないことに苦しみはじめています。
 おそらくは紅葉のピークだけのことでしょうし、遭難事故の影響で見直されつつある長野県の登山ガイドに関する条例なども影響しているのだと思いますが、それにしても「ちょっと業務体制を考えなければいけないのかな?」と思う今日この頃です。

自然塾事前授業

今朝は予報よりも悪く、朝から雨。普通ならば山へ行くべきかどうか大いに迷うのですが、丁度(などと言うと失礼ですが)今日の予定は作業ではなく、久しぶりに下界に行って「臼高自然塾」という地元の高校生の皆さんの行事のお手伝いをする準備の日だったので、心安らかに出かけました。

 今年の「野鳥」のテーマは「鳥は環境のものさし」ということで、佐久市にある貞祥寺と洞源湖周辺の下見をしてきました。話すことに夢中で写真を忘れたので、雰囲気満点のお寺の境内の様子は、また本番のときにでもアップします。

 ところで、いつもお世話になっているこの学校の環境緑地科、これは以前の農業科ですが、数年後に地域にある他の二校の実業科と統合が決まっています。普通科に比べると応募が減少傾向とのことですが、食品や木材の自給を拡大し、工業の面では「ものづくり日本」を守ろうとのスローガンを掲げながら、実業科への入試応募者が少ないという現象は、多くの人がまだ真剣になっていないということを物語っているのではないでしょうか。

 リーマンショックなどと名づけてしまうからいけないのですよね。あれは結果であって、原因ではないのに、象徴的な言葉を設けることで、誰がどのように行動を変えなければいけないのか、自分たちの側にある本質的な問題をぼやかし、誰もがほっとしている。もうそろそろこんな繰り返しから脱しなければいけません。

 そこに至るまでの想像力の貧しさや、無責任さを見直し、もっと考えて社会の設計をしないと不幸の連鎖をとめることはできないでしょう。価値観を見直すのは新政府の仕事でも役所の仕事でもなく、我々自身の作業でしかないのです。

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活動の画像がないので秋の空を切取って見ました

ビーバー

草刈機のことを「ビーバー」と呼ぶ人がいます。これは山田機械という会社が作っている草刈機の商標で、近ごろではこの本家ビーバーを見ることが少ないのに、どういうわけか名前だけは世間に知れ渡っているようです。そして何と、私の愛機は2台ともこの本家ビーバーです。まずはビーバーのハンドルの分解画像から。 

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 上が組み立てたところで、下が分解したところです。多くの方が見慣れている草刈機とは様子が違いますね。
 そうなんです。これは背負い式と言って、エンジンは別に背負って、ハンドル部分だけが自由に動く構造になっています。長い筒の中を、画像中断のニョキニョキとしたフレキが貫通していて、エンジンの動力を先端まで伝達します。エンジン部分につなげるとこのようになります。

 
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 左が常用マシン。右がバックアップマシンで、かなり老朽化しています。

 

 今朝、仕事にかかってみるとどうも機械の調子がわるく、帰宅してバックアップマシンに交換することにしました。ところが、このバックアップも壊れてるじゃありませんか!
 調べてみると上記のフレキが切れてしまっていました。これではバックアップとは呼べません。下の画像が切れた部分のアップです。 
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 早速、新しい部品に交換して山に戻ろうと思いましたが、どうも最初に壊れた機械も直すことができそうなので、修理することにしました。ついでに、長い間壊れたままになっていた停止用のスイッチも新調しました。オリジナルは押しボタンなのですが、ずっと前に秋葉で買っておいたモメンタリーのトグルをくっつけました。

  どうもいけませんね。いじくりはじめるとどんどん趣味の世界へ埋没してゆきます。記念にパチリ。 

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 ついでに、山田機械工業株式会社のロゴもアップします。皆さん、機械の在庫管理には注意しましょうね。

 

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下山

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林内で作業をしていると、少々の雨には気づかないことが多いのですが、今日は最初の一滴がわかるほどはっきりとした降り方でした。昼過ぎには降られるとわかっていたので、その頃一日分の作業が終わるように早めに出かけたのですが、敵はもっと早くやって来ました。

 
 風邪をひいては困るし、ましてやインフルエンザなんてことになるとお客様に迷惑をかけます。ガツガツしないで撤退し、村の浴場で久しぶりに節々を伸ばしてきました。
 ...それにしてもよく降ってます。予報どおり今夜中にやむのだろうか。

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雨乞い

露地栽培はお天気に左右されるのが悩みどころ。ここのところ雨がなかったので、広大な畑のあちこちでこんな光景を目にします。

 

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 今年はそれほどでもなかったのですが、冬の雪が少なく、晴天が続きすぎる年は、水源が枯渇しはじめます。
 こうした灌漑設備や機械力(画像の畑では動力ポンプ)がなかった時代は、さぞかし大変だったのでしょうね。

 さてさて、明日の雨は救いの雨になってくれるのでしょうか。明朝は皆さん願いを込めて空を見上げるのだろうな。

採種園

 

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その名のとおり、種を採るための林です。一昨日、箕輪町というところにある採種園で、カラマツのダンゴ(つまり種の入ったマツボックリ)を採る手伝いをしてきました。ついでに、これ以上伸びないように頭をとめるということで、ダンゴを採った木は、ご覧のようなあまりカラマツらしくない形になりました。下の画像が、とめた部分のアップです。

 

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 枝をどの程度まで落としても大丈夫なのか、専門家の指導を受けることができたので勉強になりました。ここで覚えたことを、これからは、ウチの村にある採種園(下の画像)でも応用させていただきます。

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チョウの訂正

先日の1億6700万円のページで紹介したチョウについて、自信がないので村に暮らす昆虫博士に確認をお願いしました(最初からちゃんと確認すればいいのにね...)。サラシナショウマにとまっていたのは、ミドリヒョウモン♂3頭とメス1頭と訂正させていただきます。お詫びとともに、後翅裏面の色がわかる画像も掲載します。ちょっとマニアックで、重ねてごめんなさい。

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確認してくださったK.Yさん、ありがとうございます。

緊急脱出用ノコギリ

 

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シルキー社のポケットボーイです。先日の全林協さんでの座談会で、奥多摩の東京チェーンソーズさんがリュックの中にしのばせているとうかがい、早速まねしてみました。現在は、この透明ケースごとベルトからぶら下げて、電気牧柵のメンテに歩いています。やはりネットワークは大切ですね、こうした道具の工夫に関する情報は貴重です。カタログで見て知っていても、実際に使っている人の生の声がないと、なかなか試してみようという気になりません。

 

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 ノコギリを常用する人は、二丁ざしという鞘にノコギリと鉈をさして携行しますが、私は「鉈だけ派」で、これまでかなり太い木も8寸の鉈で処理していました。ノコギリを携行した時期もありましたが、ちと長すぎました。でもこれなら邪魔になりません。切れ味もストレス無しで使えます。下の画像は、主に樹上作業用に使っているシルキー社の「スゴイ」との比較です。

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1億6700万円!

わが村の昨年のシカによる野菜の推定被害額。信州そまびとクラブ会報の原稿用に、役場から教えてもらったデータです。実際はこんなものじゃ済まないような気がしますが、一応オフィシャルな数字ということでお見知りおきいただき、次の数字にまいります。

 7億600万円。信濃毎日新聞に載っていた長野県がまとめた昨年度の農林業被害額です。年と年度の違いはありますが、全県の「林」まで入れてこの金額に対し、この村の被害の大きさが想像できるかと思います。

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 野菜生産者の皆さんも「これではたまらん」ということで、これまで何度か紹介させていただいた電気牧柵に代えて、新たに集落を鉄の柵で囲ってしまおうという地域が現われました。
 今日は私が暮らす集落のその計画会議で、お手伝いをしてきました。農協の広い座敷に地図を広げ、役員の皆さんで作戦会議です。

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 こちらが、ひと足先に設置されはじめた隣村の鉄柵。人々はこの内側で暮らすことになります。大事な作物を守るためだから仕方ないとは思うのですが、山がますます生活の場から遠ざかってゆきます。これまでのように「おっ、あそこにキノコがある」と思っても、それは所詮観賞用。寂しいことです...。

 
 寂しさのつれづれに、柵を写しに行って見られた生きものたちを紹介します。 

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サラシナショウマにメスグロヒョウモンのオス(ややこしい)とミドリヒョウモンのメス(たぶん)。そして中央のマルハナバチは??

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オオマルハナバチ(私、彼らを見るのが大好きです)

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メスグロヒョウモンのメス

 夏のクライマックス。山には生命がひしめきあっていました。

労災保険

働く人が仕事の最中に被った災害を保障するのが労災保険ですね。企業する場合、山村に限らずクリアしなければならないことのひとつに、この労災保険があります。特に、公共事業の入札に参加する場合には、従業員の労災保険加入が必須項目です。

 どこかの会社や商店に雇われて働く場合には、雇用主の義務としてこの保険が完備されているのが普通なのですが、経営者の立場の人は、基本的に通常の労災保険に加入することができません。ところが、林業の一人親方の場合などでは、経営者でありながら、雇われている人たちと同じような作業に従事しなければならないパターンが普通に生じます。そういう立場の人のために用意されているのが特別加入制度という制度です。

 特別加入をするには、特別加入者の組合に入る必要があります。地域の同業の人たちを見てみると、皆さん古くから地元の商工会に加入している人が多く、商工会が組合を兼ねていたり、組合を斡旋してくれるので、どうもそこで労災保険にも特別加入している人が多いようです。ところが要林産は商工会に加入していません。さぁ困りました。

 「組合が無いのなら作ればいい」ということで、昨年末、近隣で最近独立した同じ悩みを持つ3人の人たちと組合を立ち上げ、無事に特別加入を果し、先月末ようやく保険料の支払いを済ませました。組合の名前は「南佐久千曲林業者会」、事務局機能は私が受け持つことにしました。このネーミングは、信州そまびとクラブを立ち上げた際に、労災加入のことで同じように悩み、加入させてもらった、長野県の松本地域で組合を自力で立ち上げたパイオニアである「松本千曲林業者会」から、そのまんまいただきました。
 実は今回の組合立ち上げも、その先達からノウハウを教えてもらったからこそスムースに果せたのです。快く情報提供と協力をしてくれた先達に感謝するのはもちろんのこと、県内にこうした情報を得られる起業者のネットワークがあったことにも、あらためて感謝しています。