ブナじいさん

近いけれど遠いところ。ずっと行ってみたかったのに、行かれなかったところ。山梨県山梨市の牧丘町にある乙女高原はそういう場所です。十年ほど前から、一度会いに行きたかった「ブナじいさん」に、ようやく会うことができました。

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 乙女高原は古くからの採草地で、その後スキー場としても使われたそうです。
 今は、地元の人たちに利用されなくなった高原で、さまざまな保全活動を続けている乙女高原ファンクラブというグループがあります。ここでもシカによる食害が出ているということで、私の暮らす村で不要になった電気柵を使ってもらおうと考え、行ってきました。

 よく見ていただくと、ぶなじいさんの根元がヤブで囲まれています。根元の土を作るために、子供たちが落ち葉をせっせと運んで、ここに入れるのだそうです。地域の歴史を見守ってきたぶなじいさん。今はどんなことを考えているのでしょう。

フランス式台座

 

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フランス式台座(French lock)というやつを作ってみました。先日、北欧スタイルの伐木テクニックを取材に行った際に紹介されていた方法です。

 

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 このように、ワーキングベンチ(Working Bench)と呼ばれる台を設けることで、そこに伐倒木をのせて、集材の際に利用したり、枝払いを適切な高さで行えるように工夫されたものです。

やれやれの続編

 なんとか命だけでも、と思っていた傷ついたオオバンでしたが、昨日朝、残念ながら死んでしまいました。
 こういう場面に遭遇するたびに、手当てのことや、扱いのことにいろいろと悔やむのですが、今回埋葬しながら考えたのは「自分は何をやっているだろう?」ということでした。

 野生鳥獣は、人に保護されるほどの痛手を負った段階で、それはもう野生としては死んだも同然です。ですから、今回のように拾ってきて、あれこれ手当てをして復帰を目指すのは、もはや私の勝手。言ってみれば趣味の領域であると(それは、逆に拾われた生き物にとっては迷惑かもしれません)考えてやっていることです。それでもやはり、死んでしまうとむなしい...。うまく言葉になりませんが、釈然としない何かがあるのです。
 もう少し、考えてみよう。

やれやれ

また動物の話題です。今朝、散歩中に行き会った近所の方から「電話すりゃよかったね。昨日の夕方、うちのそばの草むらで、カラスみたいだけど、カラスより少し小さい鳥がうずくまってて...」との相談。はて?何者だろうか?
 昨夜はずっと冷たい雨だったので、せめて死体が回収できればと思い、現地を確認すると、信じられないことにその鳥(オオバン)は元気でした。
 左足が切断寸前の状態でしたが、もしかするとくっつくかもしれない。動物医療の師匠に電話をして判断をあおぎ、ダメもとで添え木治療をすることにしました。

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 これが家族総動員の大仕事になってしまって、なんとか治療を終えると全員「フーッ」と深いため息。やれやれでした。明日、地方事務所に電話をして、今後の対応を相談します。

 

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 寒い山村に引っ越すわ、家は動物園状態にするわ、こんなへんな道楽持ちの家に生まれて、ほんと、うちの娘は気の毒。

研修旅行

丸太を運び出したり、製材している業者のあつまり「新緑会」の研修旅行で、石川県と富山県へ行ってきました。

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 現在、私たちの地域の木材消費は、合板(ベニヤ板というやつです)メーカーが支えていると言っても良い状況です。そんな中、石川県の七尾市にある林ベニヤさんと、富山県にある港湾製材さんの工場を見学することが大きな目的でした。

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 合板は丸太を薄く桂むきした板を重ねて接着剤でつないで作ります。その第一工程、ロータリーレースという機械で丸太がアッと言う間に細い棒になってゆきます。そのスピード、なんと150M/分 !! 上の2枚の画像の時間差は、たぶん5秒くらいです。

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 どんどん出てくる合板の材料。

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 少し赤っぽく見えるのが、接着剤のついた板です。このように一枚一枚重ねられてゆきます。

 1ヶ月に15,000立方メートルの丸太がこの工場に吸い込まれてゆき、1日に3万枚(12mmサブロク換算)の合板になって出てきます。
 同じ丸太でつながっているはずなのに、自分が日頃感じている林業と、この工場生産の規模のあいだには、言葉では表わせないほどの乖離があるような気がしてなりませんでした(そんなことを言っても、なんにもなりませんが...)。
 現在、我々にとっていちばん大切なお客様のひとつである合板メーカーさん。快く見学に応じていただいたのに、こんなへそ曲がりなコメントしかできない自分は、もっと素直にならなければいけませんね。
 設備投資と人件費と燃料代。合板1枚が500円~600円だそうですが、そのうち丸太の代金がいくらくらいなんだろう? 質問するのを忘れました。

北欧での伐倒方法講習会

京都に続き、フォレストデモの取材で長野県伊那市にある上伊那森林組合さんにおじゃましました。ここでもやはり、日吉町森林組合の皆さんと同じく、現場の皆さんの技能や技術に対する強い情熱が感じられました。

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 インストラクターのアントンセン氏は、参加者のヘルメットについているイヤマフやバイザーの装着率の高さに、安全装備に対する意識の高さを感じたそうです。

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 デモが行われた伐痕その1。上は谷側、下は山側から同じものを撮影しました。さて、この意味するものは??
 この伐痕で言いますと、事情があって谷側での作業ができない場合の安全な伐り方の例です。一種の追いづる伐りと考えれば良いかと思います。

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 次の伐痕です。3枚とも同じ伐痕で、3枚目は山側からの撮影。その画像の右上に、元を谷にして見えているのが、倒された木です。
 山側にかかったかかり木を、元を谷へ滑らせて処理するやり方です。

 
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 早速体験に手を上げた若者。実は彼、私のグリーンマイスターの同期生です。この積極性がすばらしい!
 追い切りを一度で済ませることのできる太さの木ですが、あえて二段階に分け、最初に入れた追いにフェリングレバー(またはクサビ)を差込み、伐倒木を常に完全なコントロール化におく方法です。

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 目立ての実演も、食入るように見つめる若者たちの熱気に包まれていました。
 皆さん、次に現場に入る日には、必ず見たことを実験することでしょう。できることなら、その効果も確認したいものです。
 

 参加者の情熱にも感心しましたが、今回はインストラクターであるアントンセン氏の柔軟性にも驚かされました。何と、初日に京都日吉町森組の現場で質問された内容が、すでにこの日の研修内容に活かされていたのです。まさしく氏自身が言っていた「日々ラーニング」ですね。

水車小屋!

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ハスクバーナ・ゼノア株式会社が行っているフォレストデモの取材のため、京都にある日吉町森林組合の現場をうかがいました。
 この研修では、北欧で広く採用されている、チェンソー作業時の安全と効率面での工夫や考え方、用具の紹介が行われます。

 何年か前に、地元長野県の佐久地域で行われたのを見たとき、ノルウェイから来たトレーナーのオラブ・アントンセン氏の安全への高い意識と、無駄の無い動きに唖然としたのですが、今回はさらに午前中の講義も加わり、より高密度になった内容に興奮し、日頃かかえていた疑問を片っ端から投げかけてしまいました。

 林内作業における、あらゆる面での超後進国の作業者としては、今回も実に意義のある一日を過ごさせてもらったのですが、それ以上に、日吉町森林組合で作業をしている人たちの真剣なまなざしが、日々の仕事をこなすことだけに流されがちの自分にとっては、強い刺激となりました。

 まだこのデモを見たことのない方は、ぜひ近所の販売店さんにリクエストして勉強の機会を作ってもらってください。アントンセン氏も言っていましたが、能率20%アップも夢じゃないかもしれません。幸運なことに、私は明後日の長野県伊那市でのデモにもおじゃますることになっています。

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日吉町森林組合のみなさん。修了書を手に、アントンセン氏とパチリ

 あっ、忘れていました。ブログのタイトルですが、スウェーデンの言葉で、ハス・クバーナは水車小屋を意味するそうです。

 

水車小屋?

 

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昨日午後降り始めた雨は、夕方、暗くなる頃からみぞれ状になり、今朝、犬の散歩に出てみるとうっすらと雪が積もっていました。今年はどんな冬になるのでしょう。

 
 本日これより、このブログでもおなじみの京都の日吉町森林組合さんへ出張です。理由はまだ秘密ですが、ヒントをひとつ。「水車小屋」
 山仕事→水車小屋 ...。これでピンとくる人は、ある機械メーカーのマニアかもしれません。