友人の独立

県境を隔てた隣町に住む友人が、20年近いサラリーマン生活に別れを告げて独立しました。おもての看板は、建設機械(特にクレーン)の出張修理。若い頃からメカニック一筋だった経験を活かし、緊急の現場への迅速な対応を一番の売りにするそうです。
 鉄、非鉄金属の溶接の腕はピカいち! 他にも金属関係のものなら、オーダーメイドで何でも作ってくれるそうです。

 先日この友と話しをしていて、山村起業と名づけられたこのブログで、私が大きな見落としをしていたことに気づきました。それは商工会議所の存在です。彼は、すでに開業している先輩親方に相談した結果、税務も労災もすべて商工会議所に任せたということでした。

 独立開業を思い立ち、何らかの商売を始める際には、実は商工会議所が最も手っ取り早い相談先であり、実務をお願いできる組織なのです。実際に私の周囲でも、経理関係(たとえば確定申告)やら労災保険はすべて町村単位で有る商工会議所に任せているというパタンが9割以上かと思います。
 個人的な考えから、事務処理は経理も労災もすべて自分で行う、という方法を採っているがために、うっかりしていましたが、たぶん単純にコストパフォーマンスを考えると、商工会へ相談することは、起業者にとって大きな選択肢のひとつでしょう。

 アウトソーシングすることで費用対効果の高い自由な時間が生まれ、その分本業に集中できる。そういう仕組みがこの国にはあるのです。もっとも、私の場合はその自由な時間をすべて遊んでしまうことが目に見えているので、これからもすべて自分でやってゆくつもりです。

オーガナイズ

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 20代の頃、住み込みでバイトしていたところの先輩に教えられました、「日本社会では軽視されているようだけれど、オーガナイザーが重要や」と。まさか50になって、林業機械の研修現場でこの言葉を思い出すとは...。先輩はすごい!

 佐久地域高能率間伐材搬出システム開発グループについては以前も紹介しましたが、今日は偶然その研修現場に同行することができました。

 なかなか機械化の進まない林業界に、いかに機械によるシステムを普及させて、低コスト化を進めるかということを課題ととらえている流れがあります。当地でもようやくその検証と学習がはじまったわけですが、導入すれば生産性が上がるとわかっている機械でも、一台一台が高額なため、個々の事業体は導入することには慎重になります。

 問題は、一定の丸太を森の状態で常に確保し、安定的に世に送り出すことができるかどうかなのですが、ここでも行政は精一杯のところまでやっていて、あとは本人たちのやる気次第というところまできていることに、今日気づきました。
 

 地域の同業者が納得できる仕事量の実績なのか、世の動静を見抜き敏捷に動くことができる能力なのか、あるいは私などには想像もつかない何かなのか。それを持つ誰かが言い出しっぺ、つまりオーガナイザーになって、この地域の山から出る丸太を統括するようになれば、それは必ずモノになるのです。
 こうしたグループ作りがうまくいったとしても、木を世に利用させる仕組みを創造しないかぎり、木材はハウスメーカーや問屋などの、買い手側が求める契約規模と内容に支配されながら、山を思う者にとっては不条理な扱いを受け続けます。でも、高性能機械と呼ばれている以下の機械たちが活躍することは楽しみなことです。

 

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ハーベスター:自分で立木をつかみ、伐り倒し、丸太にします

 

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グラップルバックホー(ウィンチつき):倒れた木や、丸太を引っ張ったり、積み上げたりします

 

 下のふたつは、今日見ていて一番そそられた場面です。
 バックホーのアームにつけたグラップルを、道作りなどに使用するバケットへ、ひとりでもかなり早く交換することができます。カタログをもらってしまいました。

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GPSの本

なんだか本の宣伝ばかりしていますが、役に立つ本なので紹介します。たいへんわかりやすい説明と、実際の林業現場での使用例が紹介されている点で、実用性の高い本だと思います。

 レジャーの世界ではかなり普及したポータブルGPSですが、山仕事には使えないとあきらめた人も少なくないのではないでしょうか。たしかにリーズナブルな価格帯の機械の場合、林の中では衛星からの電波を受信することが難しく、地形によってはまったく位置情報を得られないこともありますが、いちどあきらめた人も、もしもまだ機械が手元にあるのなら、この本を読んで再挑戦することをお薦めします。もしかすると使えなかったのは、使い方のせいだったかもしれませんよ。

 信州そまびとクラブが行っている、大面積間伐施業地での使い方も紹介させてもらっています。

 

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全国林業改良普及協会編 林業GPS徹底活用術

大沢山守の森再生プロジェクト

佐久市大沢財産区で信州そまびとクラブがボランティアを募り行っている山造りに、昨日参加してきました。

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 久しぶりのそまびと活動への参加であり、これまた久しぶりの「ひとり」ではない山でした。そのせいか、最初からハイになってしまい、周囲の皆さんには失礼なことも言ってしまったような気がします。もしもこのページをご覧の方で、参加された方がいましたらお詫びします。

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 ここの山造りで楽しみなのは、この地拵(じごしらえ)が終わったら、春にカラマツを植林する計画になっている点です。近ごろめっきり減ってしまったカラマツの造林を、ボランティアの皆さんに体験してもらう。それがこの山の特徴です。来月も参加できると良いんだけどなぁ。

眼科へ

昨日、一日がかりで行きつけの眼科へ下りました。診察結果はOKでしたが、原因が作業中のケガだったというだけではない、重い出来事でした。

 話は11日月曜に遡ります。一番の特徴は、このケガが樹上作業中のミスで起こったという点です。最大の原因は、工程に追われてあわてていたことですが、樹上でも無意識の動きをするようになってしまっていることが恐ろしいところです。
 いつものようにハーネスをつけ、ランヤード(命綱)とメインロープの二重安全体制で、カラマツを上から切りつぶしていました。通常、私が行なう切りつぶしでは、ミスマッチカットという方法で幹を3~40センチの長さ(その部分の太さによってはもっと長い場合も有り)に刻んで、下へ落とします。
 切ったらもぎ取って落とす。この作業だけに集中していれば良かったのですが、チェーンソーを持ったついでに何本かの枝を切ったことがいけませんでした。枝を落とした後、姿勢を変えようとして、こともあろうにカット済みの幹につかまってしまったのです。全体重をかけた幹の切れ端と頭突きをし、吹っ飛ばされました。

 樹上では保護眼鏡をはずさないよう心がけています。そのおかげで、眼球を直接傷つけずに済みました。眼鏡が無かったらと思うと、ゾッとします。一日様子を見ても、視界に白く曇る部分があったので、心配になり病院へ行きました。診断では網膜に若干のむくみがあるとのことで、数日のうちに治るそうです。良かった。
 逃げ場の無い樹上では、一つ一つの動きを確認しながら作業する。初心に戻り出直します。

天然生林

1haはあると思います。赤茶色にボヤーっと見える草むらのようなところが、たいへんに若い天然生林です。

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 藤森隆郎先生の「森林生態学」(全国林業改良普及協会)(158p)によれば、天然生林とは

 天然林と天然生林の区別は、天然更新が自然の状態でなされたものか、伐採や更新補助作業などの人為が加わったものかの違いによるものである(Smith,1986)。天然林は人為を伴わない天然更新により成立したもので、その後も育林作業など人為の及んでいないものをいい、天然生林は更新補助作業を伴って天然更新したものであったり、除伐や間伐の作業が加わったものをいう。

 ということです。ここは3~4年前に、カラマツを皆伐したまま放置した場所ですので、まさしく天然生林。そしてどうしてわざわざ紹介したかと言うと、ご覧のとおり

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 見事にカラマツの林ができ始めているのです! 周囲からの種の飛来が多いのはもちろんですが、ここが「いかにカラマツの生育に適しているか」ということを、彼らが自ら語っているような気がしてなりません。
 木の育ち方を、もう少し時間をかけて見ていかないと断言はできないのでしょうが、適地適木という言葉が頭をちらつく光景です。「なんとか所有者と深い関係になりたい」そんな山です。

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成人式

今日、村の成人式でした。公民館報の新年号の取材のためにおじゃましたのですが、若い人たちに接するというのは,良いことですね(五十の自分も十分に若いつもりではあります...)。

 式典の後に、取材用に座談会の席を設けてもらいました。座談会の最後、「十年後の自分はどうありたい?」と言う問いに、こんな答が返ってきました。

 父を尊敬しているので、父のような大人、親になりたいです。

 誰からも愛されるようになりたい。

 農家として親父を超えていれば良い。

 やる時はやる、仕事をする時はしっかり仕事をする、メリハリのある人間になりたいです。
 
 個性的なキャリアウーマンになりたい。

 いろいろ経験を積んで、中身のある人間になりたいと思う。

 やさしい人間になりたい。

 みんな偉いなぁと思った次第です。二十歳の自分など、目もあてられない状態でしたから。みんなキラキラしてるぞ!悩みがあったらおいで、おじさんがいつでも聞いてやるからナ。
 彼らとともに築く社会を、せっせとイメージしているところです。

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明るい年にしましょう

あけまして おめでとうございます。
本年も「そまびとたちの奮闘記」をどうぞよろしくお願いいたします。
今年は明るい年にしたいですね。

 毎年、特別な雰囲気のないまま年が明けるのですが、今年ほど厳かさの無い正月も珍しいように思います。
 原因は作業工程の遅れと補助金申請の締め切りの関係。何と30日の夕方まで測量をやっていました。しかもポールマンは、暮れから正月の間にある1日だけの貴重な休みを割いてもらって、家内にお願いしました。
 山慣れしていない人には、たとえポールマンと言えども重労働だったようで、翌日は筋肉痛に苦しんでいました。
 31日は、申請書類作りと測量結果の図化を終え、今朝からようやく年賀状にかかっています。

 世間が仕事納めの日に、役所の駐車場などで洗車している人たちの姿を見ると、一度はこんなふうにけじめをつけて、新たな年を迎えたいなとあこがれます。まぁ、それでも、今朝は世間並みにお餅をいただき、家族で新年の挨拶もできましたので、満足しています。
 明日、公民館報のための成人式の取材に出かけるほかは、3日間家にこもって、高さ2メートルくらいになってしまった書類との格闘をします。