横の動き

4月4日の風倒防止で紹介した現場。遅れに遅れて、今日ようやく着手となりました。立木から立木へ、高い場所でワイヤーを張る作業ですが、これが設計どおりうまくできずに手間どってしまいました。

 二本の立木に見合う高い支点をニ方向から取ることができなかったため、一方向の高い支点からロープを下げ、横方向へは水平に張る(はずの)ロープで移動しながら作業を行う予定でしたが、恐れていたとおり、込み合った針葉樹の枝でこの水平ロープがほとんど使い物にならず、急遽、宙ぶらりんになりながら、枝から枝への手長猿方式の動きとなりました。結果的に、いわゆる「横の動き」というのを、思う存分楽しむことになりました。

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 慣れた人ならすぐに終わってしまう作業なのでしょうが、半分練習のような、考えながらの動きになってしまい、終わらせることができず、ご覧のようにロープを残したまま、明日続行ということになりました。
 このモミとともに、昔から地域を水害から守ってきた神様に、慣れない作業を無事に進められたことの御礼を言って、帰途に着きました。

山守の森植樹

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また、週末の動きをまとめて報告します。24日は朝から信州そまびとクラブの事業である「山守の森」で、植林。
 森林所有者である佐久市大沢財産区の皆さんをはじめ、そまびと会員や地元小学生に加え、今回は消防団の若い方も参加してくれました。これで、地拵えから植林までの長い計画が一区切りついたわけです。
 関係者の皆さん、無事終了、おつかれさまでした。

 東京は原宿から参加の通称「森ギャル」たちも、いつか立派な林になった自分たちの植栽地を見に来てもらいたいものです。
 興味深かったのは、財産区の方の一言。「これまで、地元からはあまり若い衆の参加がなかったけれど、都会の若い子が来るようになって、顔を出してくれるようになったよ」。これがきっかっけで、人の交流が活発になると良いですね。
 当日の様子はTBSテレビも取材に来ていました。”王様のブランチ”と言う番組で、放映は5月8日だそうです。
 活動の様子は信州そまびとクラブのホームページで見ることができますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

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 画像はありませんが、お昼から同じく長野県の駒ヶ根市へ移動し、上伊那森林組合主催のアーボリカルチャー研修会の様子を見学させてもらいました。
 夕方4時到着の飛び入りであったにもかかわらず、その場で登らせてもらい、リムウォークの練習までしてしまう、という図々しさ。細い枝の先端にあるテープにタッチさせてもらい、大変に勉強になりました。

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 翌25日は、茅野市というところで、日本自然保護協会の自然観察指導員長野県連絡会の総会に出席。
 総会に先立ち、県環境保全研究所の須賀丈研究員による「草原の生きもの その歴史と保全」というお話しをうかがいました。
 火入れなどの人間活動によって維持される草地が、その環境がなければ暮らすことのできない昆虫などにとって重要であること。長野県には今でも、そのようなまとまった草地が残されていることなど、希薄になってしまっている自然とのかかわりについて、じっくりと考えることのできる時間でした。
 連絡会では、この草地について考えるということで、今年から県内のスキー場、中でも廃業したスキー場の跡地を調べる活動がはじまる予定です。

今日は植付けなのに

 

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今年の天候不順はたいへんなものです。今日はそまびとクラブの行事で植栽なのですが、昨日からの低温で、ごらんのとおり唐鍬も寒そうです。

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東信自然史研究会総会

活動3年目を迎える東信自然史研究会。ついに今年からはお借りしている田んぼで米作りの話まで出始めました。里山をめぐる生き物たちの暮らしを研究しながら、作物まで作ってしまう。すごい人たちだと思います。

 

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そして、何より楽しみなのは、このグループが2世代参加型であることです。画像には、一番奥の方に二人しか写っていませんが、小2を筆頭に、四人の研究者ジュニアも参加していました。賑やかでしたよ。

雪折れ

先週実施した、屋根に倒れたアカマツ処理の様子です。画像では見えませんが、梢まですべて残った状態で屋根の上に乗っかっていました。胸高直径で30cm超、地ぎわでは40cmを超えていました。

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 真ん中から先半分が、丁度、物干し台にひっかかって止まっています。先から切り詰めると、このひっかかった部分が無くなると同時に、屋根から落ちて下の構造物を直撃してしまうので、周囲の複数の木からワイヤーで固定してから作業を行いました。

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 オレンジに見えている動滑車で浮かせながら処理しました。立っている木よりも手間がかかり、この一本で一日仕事になってしまいました。

生物多様性二題

先週末は生物多様性についてよく考えた二日間でした。

 まず10日土曜日にうかがった国民森林会議の公開講座。森林総研・昆虫多様性担当チーム長の岡部貴美子氏による「森林における生物多様性」というお話しで、70年代以降、生物多様性が広く論じられるようになるにしたがい、森林についてもいろいろなことがわかってきたということが詳しく述べられました。

 中でも、「植生の多様性が高いと、植物病原菌の脅威は減少する」というお話しは、自分が暮らす村で起こっている(ここだけではありまあせんが)農と林の乖離を、どのように元どおりに近づけることができるのか、ということの大きなヒントになったと思います。

 また、生物多様性条約の2010年目標の中には、「貧困の緩和と地球上のすべての生物の利益に貢献するために」ということが謳われているそうで、この「貧困の緩和」というところと、「伝統的知識を活かすこと」という文言が出てくるというお話にも、普遍性が感じられて、このテーマについて考えることの大切さが改めてわかったように思います。

 11日日曜日は、関東某所の街づくりが行われているところで、どのように自然を活かしてゆくかを検討している皆さんの会合に、オブザーバー的な立場で参加させていただきました。
 この皆さんは、開発側に既存の里山をできるだけ保全する方法を提案するうちに、自分たちで管理に乗り出す必要性を感じはじめ、以前からお世話になっていた私が、たまたまきこりをやっていることに目をつけて声をかけてくれたのです。

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 向こう側にある森の手入れをどのように進めてゆくのか、そして目下の最大のテーマは、下の画像の池へのアシの侵入を、いかにバランス良くコントロールできるか、という点です。
 そのままにしておけば陸地化が進みますが、それを最小限の力で食い止める方法をあれこれと考えています。

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弱点

先日も書きましたが、土を見ることができません。「じゃぁ、山仕事をやめなさい」と言われてしまいますが、もう何年も前から「これではいけない」と思いつつ、今日まで来てしまいました。そして、対人間という意味でも、いよいよ追いつめられました。

 お世話になっている別荘地のお客さんが自治会を結成し、解決すべき問題のひとつとして、地域全体の森林整備を掲げました。私も最初の会合にオブザーバーとして参加させてもらうことになったのですが、今のままでは「単に木を倒せるだけ」の業者でしかありません。居住空間としての森林整備には、これまで以上に広い知識と視点が求められます。

 まずは土のこと。読んだだけで右から左に抜けていた情報を、もう一度噛みしめなければなりません。

風倒防止

 

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昨晩、布団の中で仕事の段取りを考えていて眠れなくなりました。どうも山仕事は根っから好きなわけではないようで、段取りを考えていてもあまりおもしろくないのですが、設計が完成したときのスッキリ感は、今回もそれなりにありました。2時頃、深い眠りに落ちました。

 矢印のモミ。地上1mくらいのところが腐っていて、強い風が吹くと近くの民家めがけて倒れそうなので、いずれ伐ることにはなったのですが、訳あって来年までは、複数の立木からワイヤーで支線をとり、倒れるのを防ぐことになりました。
 「はいわかりました」と返事をしたまでは良かったのですが、枝だらけのジャングルで、直線距離で10mほど離れた木から、水平にワイヤーを延ばすとなると、いろいろ考えなければならないことがあることに気づきました。
 お客さんは、強い風が吹くたびに気をもんでいると思うので、今週中には施工したいと考えています。

山だし

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今日は居倉(いぐら)という集落の山だしでした。神事のあと、伐り出された木は、里曳きの出発地点まで畑の中を進んでゆきます。お天気は良かったのですが、冷たい風の吹く中、消防のラッパに励まされて皆さんせっせと綱を引いていました。
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 前後しますが、こちらが神事の様子です。森の空気と法被の鮮やかさのコントラストは、厳かでありながら、徐々に高揚してゆく、独特の祭りの予感のようなものを放っていました。
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 作業の安全を願って、巨大チェーンソーにもお清めを